テクニックも伝授!絵本の読み聞かせの効果と方法

南谷 有美
公開: 2020-03-30

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お子さまにすることが多い、絵本の読み聞かせ。何気なくしている方も多いと思いますが、実は読み聞かせには素晴らしい効果が隠されているのです。今回は、保育士として働いていた経験を持つ筆者が、絵本の読み聞かせの効果とその方法についてご紹介します。


絵本の読み聞かせとは

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読み聞かせとは、子どもに対して大人が絵本などを見ながら音読することです。子どもの寝つきを促すためにするものというイメージをお持ちの方もいらっしゃるかと思いますが、時間帯問わず様々な場面で活用されています。
また、読み聞かせは家庭だけではなく保育園や児童館など公共の場でもよく用いられます。一人でも複数人でも楽しめるということも絵本の読み聞かせの魅力となっています。

絵本の読み聞かせの効果

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絵本の読み聞かせがもたらすものについてご紹介します。

親子のコミュニケーションツールとなる

絵本のストーリーに合わせて、言葉のやりとりやスキンシップを楽しめるということが読み聞かせの魅力の一つです。希薄になってしまいがちな親子のコミュニケーションの時間を、絵本の読み聞かせを通して補うことができます。

感性が磨かれる

子どもたちは絵本を通じて登場人物になりきり、その想いを体験することができます。喜怒哀楽や心の変化を知ることは、感性の発達にも繋がります。

好奇心を育てる

絵本は初めてのことを知るのにぴったりの題材です。「これってこんな名前だったんだ」「こういう使い方をするんだ」など、絵本を通してたくさんの発見ができます。

集中力が身につく

読み聞かせを始めたばかりの頃は最後のページまで座っていられないということも多いですが、回数を重ねていくうちに集中力が身についていきます。

絵本の読み聞かせをする際に確認したいこと

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絵本の読み聞かせが親子にとって大切なものだということがわかったところで、絵本の読み聞かせをする前に確認しておくと良いことをご紹介します。

年齢

絵本の読み聞かせで最も重要なのは、絵本の選定です。そこで大切になってくるのは、絵本を見る子どもの年齢です。絵本には、様々な内容・長さのものがあります。ここで選択を間違えてしまうと、せっかくの絵本の読み聞かせの時間が子どもたちにとって苦痛なものとなってしまいます。年齢を知ることで、ある程度の枠組みができます。あとはその中から、子どもの興味関心があるものを選べば大丈夫です。
絵本の選び方については、こちらの記事で詳しくご紹介しています。是非参考にしてください。

人数

次に大切になってくるのは、子どもの人数です。それによって、絵本の大きさを変化させる必要があります。現在は、紙芝居のような形で大人数でも楽しめる「大型絵本」も販売されています。「絵本がよく見えない」という子を出してしまわないように、絵本の大きさにも着目していきましょう。

シチュエーション

最後に大切なのは、シチュエーションです。例えば、おばけに関する絵本を読むときは全体の電気は消して絵本にだけ光があたるようにするなど。ただ読むだけでももちろん楽しむことができますが、より子どもたちを引き込むためにそのシチュエーションも意識するようにしてみましょう。

絵本の読み聞かせのテクニック

絵本の読み聞かせの準備が整ったところで、いよいよ実践です。筆者が保育士をしていた頃に意識していたことを交えながら、ご紹介します。

絵本の持ち方と適切な位置

初めて読み聞かせを行う方が迷ってしまいがちな、絵本の持ち方。これは人数や状況によって変えていくと効果的です。その一例をご紹介します。

子どもが一人 活動時に読み聞かせを行う場合

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子どもを膝に乗せて、読み聞かせを行う方法がおすすめです。子どもの目の前に絵本があるという状態が、ベストなポジション。スキンシップを図りながら、絵本の読み聞かせをすることができます。子どもと同じ目線なので、文字が読みやすいということも特徴。初心者の方にもおすすめ方法です。

子どもが一人 就寝時に読み聞かせを行う場合

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子どもと一緒に横になって、絵本を見るという方法がおすすめです。子どもの目の前に絵本があるという状態が、ベストなポジションです。この時に大切なことは、子どもが見やすい位置に絵本を広げるということ。ゆったりとした雰囲気を作り、子どもの入眠を促していきましょう。

子どもが複数人 活動時に読み聞かせを行う場合

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子どもたちと向かいあう形になり、顔の横で絵本を広げて読み聞かせを行うという方法がおすすめです。保育園でよく見られる光景ですが、実はこの方法は他のものに比べて難易度が高いと言われています。大人が絵本を覗き込むような形で文字を読むので、注意していないと絵本が傾いたり、開いている範囲が狭くなったりして、見づらくなってしまう子どもも出てきてしまうからです。大切なのは、子どもたちと平行になるように絵本を持つこと。子どもたちの顔を確認しながら、「見えづらい子はいないかな」などと気遣っていくことも大切です。また、絵本は目線よりも少し高めに持つようにしましょう。例えば、子どもたちが床に座っているときは大人は椅子に座って読む、子どもたちが椅子に座っているときは大人は立って読むなど、対等な関係ではなく少し変化を加えることが大切です。

絵本を読むスピード

シチュエーションが整ったところで、気になるのは絵本を読むスピード。「ちょっとゆっくりかな」と思うくらいがちょうど良いスピードとなります。絵本を通して、子どもたちは冒険をします。速いスピードで読んでしまうと、その冒険を体験することなく現実の世界に戻ってきてしまいます。ゆったりとしたスピードで読むことで、子どもたちは絵本の世界をより楽しむことができるようになります。

声色などの変え方

ただ淡々と読むだけではなく登場人物によって声色を変えてあげるということも、読み聞かせにおいて重要なエッセンスとなります。声色が難しいという方は、読むスピードを変えるだけでも一味違ったイメージを演出することができます。是非お試しください。

こんなときどうする?絵本の読み聞かせSOS

絵本の読み聞かせの最中に、「こういうとき、どうしたらいいのかな」と思ったことはないでしょうか。そんな悩める問題についての解決策をご紹介します。

子どもが集中していない

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まずは、子どもが集中できない原因について考えてみましょう。絵本が年齢や興味関心にあっていたか、読むスピードが適正だったかなど。一概には言えませんが、絵本の選定ミスが大きな要因だと思われます。子どもの興味のあるものを今一度考えて、選定を行うようにしましょう。

質問責めになってしまう

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絵本の内容に集中し始めると、見られる現象になります。「それでどうなったの?」「何で〇〇なの?」と子どもたちの疑問は次から次へと出てきます。質問に答えてあげることは大切なことですが、あまり答え過ぎてしまうと話が途切れて内容があやふやになってしまうことも。子どもの質問に耳を傾けながらも、「どうなるんだろうね」などと次の展開に期待をさせる言葉掛けをして、さらに楽しく絵本を見ることができるようにしていきましょう。

同じ絵本ばかりをリクエストする

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子どもは気に入った絵本と出会うと「もう一回!もう一回!」とリクエストします。「また同じ絵本?」等と言ってしまいそうになりますが、これも子どもの成長の過程においては大切なことです。何がそんなに気に入っているのかに着目しながらも、できる範囲で構わないので子どもの要望に応えてあげるようにましょう。

読み聞かせの始め方がわからない

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絵本の読み聞かせを行うときはいきなり始めるのではなく、まず子どもの注目を集めることが大切です。筆者が保育士の時に読み聞かせの前に実施していたのは、簡単な手遊びです。絵本が始まる前に行うということを習慣にしていました。その手遊びが始まると「あ。絵本の時間が始まる」と子どもたちは認識して、自然と集まってくるようになります。どんな活動をする上でも、大切になってくるのは導入です。「絵本が始まるサイン」を子どもと一緒に考えてみるということもおすすめです。

読み聞かせの終わり方がわからない

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絵本の読み聞かせにおいて、その余韻を楽しむことも重要なエッセンスとなります。絵本が終わったから終わりというのではなく、感想を聞くなどして子どもたちの会話を楽しむことが大切です。

大人数で読み聞かせをするときの子どもの並び方

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大人数で読み聞かせをするときは、全員が見やすいかどうかということが大切になってきます。前から見て隠れてしまっている子どもは、絵本も見えていないことが多いです。「〇〇ちゃん、もうちょっと横にずれようか」などと声を掛けてあげることが大切です。
また、サイドに座っている子どもは死角になりやすいので注意が必要です。大人数で読み聞かせをする場合は、横長の配置よりも真ん中に集中した配置にすることがおすすめです。
あと、大人と子どもの距離も大切になってきます。距離が近くても遠くても、絵本が見づらくなってしまいます。筆者が保育士のときによく行なっていたのは、床にテープで線をはっておくということ。このテープ上に座ってもらうことで、適正な距離で絵本の読み聞かせができるようになります。

絵本の読み聞かせをしてみよう

絵本の読み聞かせの仕方についてご紹介してきましたが、いかがでしたか。様々な対処法がありますので、是非参考にしてください。親子の仲をより深いものにしてくれる、絵本の読み聞かせ。是非お子さまと過ごす時間に、絵本を取り入れてみてください。

フリーランスカメラマン
南谷 有美
フリーランスのカメラマン。物撮りやブライダル、学校写真などその内容は多岐に渡るが、現在は広告系がメイン。カメラマンの前は保育士を5年、その他にはファスティングコンサルタント、カラーセラピストの資格を所有し、トレーナー育成経験も有り。

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