【2020】ゲーミングPC、おすすめの選び方 マウスコンピューターの達人に聞く!
高品質なゲームを快適にプレーできる、ゲーミングパソコン(ゲーミングPC)が人気を集めています。ただ、価格帯もパーツの組み合わせも幅広くあります。自分にぴったりのゲーミングPCを、どんな基準で選べばいいのでしょうか。国産PCメーカーのマウスコンピューター社員で、スゴ腕ゲーマーでもある水野沙耶さんに、初心者にも分かりやすく解説してもらいました。
今回お話をうかがったのは
まずはCPU・グラボ・メモリ選びから
ーーゲーミングPCを選ぶには、まずどのスペックに注目すればいいでしょうか?
まずはCPUですね。人間でいう脳にあたる部分で、パソコンを選ぶ上で最も大切なパーツです。
次にグラフィックボード(グラボ)。最近のゲームは映像がすごくきれいで処理の重い作品が多く、グラボが貧弱だとカクカクとしか動かなくなってしまいます。
最後にメモリ。これは例えると「机の上」です。CPUを補助するイメージの役割で、机が広い方がさまざまな作業が快適になります。
CPUは入門機ならi5、実況配信ならi9
ーーまずCPUの選び方から教えてください。インテル製だとCore i3、i5、i7、i9といった種類があります。
Core i3だと快適に動くゲームが少ないので、入門機でもi5は欲しいですね。
多くのゲームを快適にプレーするにはCore i7を、ゲームしながら高画質でネット配信したり、負荷の高いVRゲームを楽しみたい人にはi9をオススメします。
ーーAMD製CPUも人気が高まっています。
AMDのRyzenシリーズはコア数が多いので、並行作業に強く、性能に対してコスパが良いのが特徴です。
選ぶときの目安としてCore i5とRyzen5、i7とRyzen7、i9とRyzen9が同水準のCPUと考えてください。
弊社のG-Tuneシリーズの場合、Ryzen5搭載モデルはCore i5モデルより約1.5~2万円ほど値段が抑えられていて、人気で在庫切れになることも。特にゲーム配信など負荷が高い並行作業をする人は、性能の高さが実感できると思います。
勝ちたいなら高性能グラボを
ーーグラフィックボードも選択肢の多いパーツです。どの水準の製品を買えば、ゲームを快適に楽しめますか?
どこまで快適さや勝敗にこだわるかで、必要なグラボは変わってくるんです。
ライトユーザーの方には、NVIDIA製のGeForce GTX1650から1660ぐらいまでをオススメしています。
動作が軽いLeague of Legendsといった人気タイトルは快適に動きますし、PUBG(PlayerUnknown's Battlegrounds)など重いゲームでも描画水準を下げれば十分遊べます。
一方でPUBGを高画質で遊びたい、レインボーシックスシージなどのFPSで「勝ちたい」と望む人は、RTX2070 SUPERなど高性能なグラボをオススメします。
ーーグラボがゲームの勝敗も分けるのですか?
はい! 高性能なグラボを積むと、高画質な映像をカクつきなく滑らかに表示できます。
特に近距離で撃ち合う対人戦のFPSゲームは、0.1秒の判断の遅れが勝敗を分けるので画面表示の滑らかさがとても重要です。近年ではレーシングゲームもそうですね。
グラボ選びの際、あわせて気にしていただきたいのがモニターです。
高性能グラボを積んで例えば144fpsの非常に滑らかな表示をしたいと思っても、モニターが一般的な60Hz対応のものだと、60fpsまでの表示しかできません。144Hzに対応している製品が必要で、各社からゲーミングモニターなどとして発売されています。表示を突き詰めたい場合、パソコンの映像出力とモニター性能の両方が必要なことを知っておいてください。
<fpsとは?>表示の滑らかさを示す単位で、毎秒何フレームを表示できるかを示す<Hzとは?>毎秒何回の書き換えが可能か、ディスプレーの性能を示す単位
メモリは16GB、ストレージは512GB
ーー「机の上」にあたるメモリの容量も悩むところです。
そうですね。容量を8GBにするか、16GBにするかの選択になると思います。
オススメは16GBで、ゲームの動作に余裕がでます。
ーーパソコンのストレージ(記憶媒体)にも選択肢が増えていますね。
ストレージはハードディスクとSSDの2種類あって、SSDのほうが読み書きが高速なため、ゲームだけでなくパソコンの動作全般が速くなります。
さらにSSDも従来のSATA接続だけではなく、さらに高速なM.2タイプを採用するゲーミングPCが増えてきました。
ーーストレージ容量はどのくらい用意したほうがいいですか。
ゲームの大容量化が進んでいるので、256GBのSSDだけではすぐ一杯になってしまうと思います。
最少でも512GBはあった方がいいでしょう。
たださらに倍の1TBをSSDで確保しようとすると費用がかかってしまいます。
それよりは始めはCPUやグラボに予算をかけた方が、満足度が高まると思います。
ストレージはまずは512GBを確保して、ゲームが増えてきたら追加で買い足すのがオススメです。
追加するのは大容量で低価格なHDDにするとコスパが良い構成になります。
頻繁に起動するお気に入りゲームや、読み書きが多いオンラインゲームは高速なSSDの方にインストール。
ときどき遊ぶゲームやオフラインで遊ぶゲームはHDDにインストールする形で、使い分けるといいでしょう。
私も家でそういう使い分け方をしています。
予算別、満足度の高い選び方
【10万円】ライトゲーム中心なら税別10万円以下も
ーーではマウスコンピューターのモデルを例に、どんな構成が可能なのかうかがわせてください。
安くて手頃な10万円前後のモデルでも、League of Legendsやフォートナイトなど動作が軽い人気ゲームなら快適に遊ぶことができます。
たとえばインテルCore i5-9400を搭載して、メモリ8GB、グラボにGTX1650を搭載したモデルでも10万円を切ります。
一方で動きの激しいレインボーシックスシージなどを快適に動かすには、動作の軽い画質設定を選ぶ必要があります。
- マウスコンピューター
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G-Tune PM-B
- 94,800円~(税別)
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シンプルかつ堅牢、ライトユーザーにオススメ
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VRデバイスなどを接続できるHDMI端子を前面に設置するなど、ゲーマーにとっての使いやすさを追求したモデルです。
【15万円】Core i7搭載、幅広いゲームが快適に
ーー予算15万円の場合はいかがでしょうか。このあたりの価格帯を求めるユーザーも多いかと思います。
弊社モデルですと、CPUはインテルCore i7が搭載できます。
さらにグラボにAMD製のRadeon RX 5700を積むことで、動きの激しいFPSなども高画質で楽しめる性能が確保できます。
メモリは16GB、ストレージも512GBのM.2 SSDに加えて2TBのハードディスクを積むなど、ぐっと充実した構成が実現できる価格帯です。
- マウスコンピューター
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G-Tune EN-Z
- 151,800円~ (税別)
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幅広いゲームを楽しみたいミドルゲーマーにオススメ
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基本構成ではCore i7-9700を搭載。ゲームから動画編集、実況配信など幅広い使い道に対応できる性能を発揮します。
【20万円以上】ゲーム配信も動画編集もラクラク
ーー20万円を超えるハイエンドパソコンは、どんな構成になりますか。
グラボにGeForce RTX 2070 SUPERを搭載し、ファイナルファンタジーXIVなどの非常に重いゲームでも4K画質で楽しめる構成になってきます。
ゲーム配信も同時にしたり、動画編集を始めとした幅広い用途でストレスなく使えます。
20万円台前半なら弊社モデルではCore i7-9700K、メモリ32GB、ストレージはM.2 SSDを512GB搭載。
30万円の予算があれば、さらに性能の高いi9-9900KSが搭載されたゲーミングPCも選択できます。
- マウスコンピューター
-
G-Tune HP-Z
- 259,800円~(税別)
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性能を追求したハイエンドPC
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本体はガラスサイドパネルを備え、内部のLED装飾も鮮やかに見せることができます。ワンプッシュでオープンでき、メンテナンス性も向上しています。
ゲーミングノートパソコンという選択肢も
ーーゲーミングノートパソコンも家電量販店などを賑わしています。どういう使い方がいいのでしょうか。
デスクトップだと本体に加えディスプレーが必要ですが、ゲーミングノートパソコンならそれ一台だけで済みます。
家でコンパクトさにこだわりたい方、外でもゲームなどを楽しみたい方にはオススメできます。
またゲーミングノートパソコンは基本性能が高いので、ゲームに限らず用途は幅広いんですね。
ビジネス文書や動画編集などビジネスシーンでも使う人も増えています。
- マウスコンピューター
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G-Tune P5
- 119,800円~(税別)
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普段使いからゲームまで、バランスのよいモデル
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第9世代インテル製、Core i7-9750Hプロセッサーを採用。カスタマイズでさらに性能を高められる高コスパモデルです。
入門モデルや、ゲームに適したメカニカルキーボードを搭載したモデルなど、ラインナップも充実しています。
キーボード、マウス…周辺機器はどれを選べば?
ーーゲームを遊びたい人にはゲーム専用機という選択肢もあると思います。PCを選ぶ利点というのは何なのでしょうか。
ゲーマーの世界には「パッド勢」「パソコン勢」という呼び方があります。
言い換えるとゲームパッドで操作するゲーム機派と、キーボードやマウスで操作するPC派ですね。
PCの大きな利点の一つが、無数にあるキーボードやマウスの中から、機能や使い心地が自分に合ったものを選べる点です。
ゲームパッドだと難しい複雑な入力が、キーボードとマウスなら楽になる場面は多くあります。
ゲーミングキーボードは「同時押し可能」
ーーゲーミングキーボードは、一般的なものと何が違うのでしょう?
複数のキーを同時に押すと、両方のキーが反応するように作られています。一般的なキーボードは片方しか反応しないものが多くあります。
ゲームでは、例えば斜めに進むときWとDのキーを同時に押す。同時押しができないと非常に不便なんです。
またキーの押し心地やキータイプ音の大きさによって、黒軸、茶軸、青軸、赤軸などの種類が選べるのも大きな特徴です。
私は以前は押し心地が重い黒軸を使っていました。重い分、押しミスが少なくなると考えたんですね。
でもキーの重さを見直して、今は押し心地も音も普通な茶軸を使っています。
完全に好みの世界なので、実際に店頭などで使ってみて決めるのがいいと思います。
ゲーミングマウスで速度切り替え
ーーゲーミングマウスはボタンがたくさんあって多機能なイメージです。
そうですね、8ボタンぐらいある商品が主流です。各ボタンによく使う操作を割り当てられるのが便利で、私も側面ボタンでしゃがむといった設定にしています。
より複雑な操作はキーボードでこなす使い分けをしています。
さらに大きな特徴が、カーソルの移動速度を変えられる点です。
手元でマウスを同じ距離動かしたとき、どれだけマウスカーソルが動くかをボタン一つで切り替えられるんです。
FPSで照準を相手に合わせたり細かい操作が求められるときは、カーソルの移動距離を短くする。
逆に素早く動く必要があるシーンでは、移動距離を長く。状況に応じて切り替えないと勝てません。
ヘッドセット
ーー勝敗を分ける機器は、ほかにもありますか?
ゲームでは視角だけでなく、音もすごく重要な情報です。そこでヘッドセットが大切になってきます。
銃声がどの方向から、どのくらい離れた距離で鳴ったかがゲーミングヘッドセットなら聞き分けられます。
あ、銃声が背後の近いところで鳴ったな、警戒しようとか。
スピーカーや一般的なイヤホンでは方向感や奥行までは分かりにくい。
また、ヘッドセットにはマイクも付いているので、チーム戦でコミュニケーションも取る手段にもなります。
音質のほか、重さや有線・無線かも使い心地に関わります。
キーボードなどと同じく、実際に店頭などで試して自分に合ったものを見つけてください。
まとめ
奥が深いゲーミングパソコンの世界を、水野さんに教えてもらいました。
自分がどんな風にゲームを楽しみたいかによって、選ぶべきパソコンが変わってくることがよく分かりました。
さらに「ゲーミング」と名の付く周辺機器には、ゲームに役立つ機能がしっかりあることにも驚き。
一度に買いそろえるのは難しくても、少しずつ自分好みのものを買いそろえていくのはいかがでしょうか。
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