
〈プロ解説〉安いプリンター、おすすめ15選 機能を厳選してコストを抑えよう
ここ数年で在宅ワークが普及し、価格が手頃な家庭用プリンターの需要が増えています。とはいえ、ただ商品の値段だけを見て安価なプリンターを手に入れても、用途にあわない場合があります。
フルカラーの資料作成や写真の印刷もしたいのに、文字印刷やモノクロ印刷しかできないモデルを選んでも不満が残るだけでしょう。
そこでこの記事では、松本洋紙店・店長の松本 友さんに、低価格帯のプリンターの選び方から、おすすめ商品まで解説していただきました。
目次
おすすめ・人気商品をまずは一覧で

外観 |
商品名 |
特長 |
本体サイズ |
インクの種類 |
インクの色数 |
インク形式 |
給紙方法 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
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【筆者おすすめ】エプソン Colorio 単機能モデル EP-306 |
染料6色インクで高画質 |
幅390×奥行338×高さ141mm |
染料 |
6色 |
カートリッジ |
フロントトレイ、背面トレイ |
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【筆者おすすめ】エプソン A4インクジェットプリンター PX-K150 |
低コストなモノクロプリンター |
幅392×奥行264×高さ148mm |
顔料 |
1色 |
カートリッジ |
背面トレイ |
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【筆者おすすめ】キヤノン ビジネスインクジェットプリンター G1310 |
交換頻度の少ない大容量タンク |
約幅445×奥行330×高さ135mm |
顔料1色、染料3色 |
4色 |
インクタンク |
背面トレイ |
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【筆者おすすめ】ブラザー工業 プリビオ MFC-J904N |
機能充実、FAX付きモデル |
幅400×奥行341×高さ172mm |
顔料1色、染料3色 |
4色 |
カートリッジ |
フロントトレイ、背面トレイ |
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エプソン Colorio EW-052A |
美しく印刷できるハイコスパアイテム |
幅390×奥行300×高さ146mm |
顔料1色、染料3色 |
4色 |
カートリッジ |
背面トレイ |
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エプソン ビジネスプリンター PX-S505 |
狭いスペースに無理なく置ける |
幅392×奥行264×高さ148mm |
顔料 |
4色 |
カートリッジ |
背面トレイ |
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エプソン Colorio EP-315 |
スマホからでもきれいにプリント |
幅390×奥行338×高さ141mm |
染料 |
6色 |
カートリッジ |
フロントトレイ・背面トレイ |
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エプソン ビジネスプリンター PX-S155 |
板書のコピー&配布も可能 |
幅392×奥行264×高さ148mm |
顔料 |
黒1色 |
カートリッジ |
背面トレイ |
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エプソン ビジネスプリンター PX-S730 |
大量印刷にも応える耐久性 |
幅425×奥行378×高さ164mm |
顔料 |
4色 |
カートリッジ |
フロント用紙カセット |
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キヤノン PIXUS TS203 |
細かい文字もくっきり印刷 |
約幅426×奥行255×高さ131mm |
顔料1色、染料3色 |
4色 |
カートリッジ、インクタンク |
背面トレイ |
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キヤノン TR153 |
ビジネスバッグに入る携帯用プリンター |
約幅322×奥行185×高さ66mm |
顔料1色、染料4色 |
5色 |
カートリッジ、インクタンク |
背面トレイ |
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キヤノン PIXUS TS8630 |
タッチパネルで直感的に操作 |
約幅372×奥行345×高さ142mm |
顔料1色、染料5色 |
6色 |
インクタンク |
フロント給紙カセット、背面トレイ |
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キヤノン Satera MF272dw |
毎分29枚の印刷スピードを実現 |
幅372×奥行320×高さ271mm |
顔料(トナー) |
黒1色 |
カートリッジ |
フロント給紙カセット、背面トレイ |
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ブラザー DCP-J526N |
写真もきれいに印刷できる |
幅400×奥行343×高さ151mm(突起部を除く) |
顔料1色、染料3色 |
4色 |
カートリッジ |
フロントトレイ、背面トレイ |
![]() |
ブラザー DCP-J926N |
紙以外の印刷にも対応 |
幅400×奥行341×高さ172mm(突起部を除く) |
顔料1色、染料3色 |
4色 |
カートリッジ |
フロント給紙カセット、背面トレイ |
プリンターは主に2種類
市販されているプリンターの印刷方式には、大きく分けてインクジェットとレーザーの2種類があります。
▼インクジェット:カラー印刷に強く、価格は安めで家庭向け

Photo by iStock
▼レーザー:印刷スピードや文字印刷に優れ、大型かつ価格は高めでビジネス向け

Photo by iStock
インクジェットが紙にインクを吹き付けるのに対し、レーザーはトナー(粉)を熱で紙に圧着します。
いわゆるコピー用紙のような、ビジネスで一般的に使われている紙であれば、どちらの印刷方式でも問題なく使えるのですが、写真用紙や耐水紙などの特殊な紙は、どちらか一方の専用紙となっていることがあります。
具体的には、レーザーは印刷時に熱を持つため、熱に弱いコーティングをした紙だと、綺麗に印刷できなくなるといったことがあります。

ポイント解説
現在プリンターを使っていて、それを買い替えるのであれば、印刷方式を変えるとこれまでの紙が使えなくなる可能性があります。名刺印刷、ラベル印刷、耐水ポスター制作などで、どちらか一方の専用紙を使っている場合は注意しましょう。
安いプリンターの選び方、5つのポイント

松本 友
本体価格が安いものが多く印刷コストにも優れている、家庭向けのインクジェット式を前提に、安く抑えるポイントやプリンターの選び方についてご紹介します。
① 機能を絞る|FAX、コピー、スキャン、カラー印刷は必要?

Photo by iStock
プリンターの価格を安く抑えるにあたり、もっとも有効な手段は「機能を絞ること」です。
FAX、コピー、スキャンといった機能が搭載されているモデルも多いですが、自宅に電話回線がない場合、または1つしかなく、それをFAXに使えない場合、FAX機能は必要ありません。
コピーやスキャン機能も使う機会がないなら、印刷だけの単機能に絞りましょう。さらに、カラーの資料や写真を印刷せず、もっぱら文書だけを印刷するなら、白黒のみのモノクロプリンターを選べば、いっそうのコストダウンが図れます。
② インクの種類|写真向きの染料か、文書向きの顔料か
インクジェット式のプリンターに使われるインクには、「染料」と「顔料」の2種類があります。
- 染料インク:発色がよく写真印刷向き
- 顔料インク:くっきり見やすく文字印刷向き
プロ仕様の高精細プリンターにも顔料インクを採用しているものがあるので、一概には言えませんが、基本的には写真印刷の鮮明さを重視するなら染料インク、文書の読みやすさを重視するなら顔料インク搭載のプリンターを選ぶとよいでしょう。

ポイント解説
両者の特長を生かし、カラーは染料インク、ブラックは顔料インクのハイブリッドインクを搭載した製品もあります。写真と文書、どちらもきれいに印刷したいなら、ハイブリッドインクのプリンターも候補に入れましょう。
③ インクの色数|基本は4色、画質重視なら5色以上

Photo by iStock
写真印刷やフルカラー印刷の仕上がりを重視するなら、「インクの色数」をチェックしましょう。インクジェット式プリンターのインクの基本的な構成は、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック(CMYKとも表記されます)の4色です。
この4色で白や特色(金や蛍光色など)を除いたあらゆる色を再現するのですが、これ以外にライトシアン、ライトマゼンタ、ライトグレーといった中間色のインクが搭載されていると、色の再現性が高まります。

ポイント解説
デザイナーやカメラマンが使うプロ仕様のプリンターには、8~10色を搭載した製品も。3万円以下の家庭用プリンターでも、5~6色のインクを採用したものがあります。安くても画質を妥協したくないなら、5色以上のインクを搭載した製品を選ぶとよいでしょう。
④ インク形式|大量印刷はインクタンクがお得
本体価格だけを意識していると、見落としがちなのが「印刷コスト」です。
最近のインクジェット式プリンターには、インクが切れるとカートリッジごと交換するタイプと、プリンター本体に備え付けられたインクタンクに直接インクを補充するタイプがあります。

プリンターの本体価格はカートリッジタイプが安く、印刷コストはインクタンクタイプが安い傾向にあります。
大量に印刷する人は、本体価格が多少高くてもインクタンクタイプを選んだほうが、最終的にはトータルコストが安くなるでしょう。
⑤ 給紙方法|厚紙印刷は背面トレイが便利
プリンターの給紙方法には、大きく分けてカセット式の「フロントトレイ」と「背面トレイ」の2種類があります。

Photo by iStock
フロントトレイは、大量に用紙をセットしておけるので印刷できる枚数が多く、給紙の頻度が少なく済みます。
用紙を交換する際はカセットを引き出す手間がかかりますが、プリンター後部のスペースを広く取る必要がないのがメリットです。

Photo by iStock
背面トレイは、用紙交換のときに用紙を置いてガイド位置を調節するだけで済むので、普通紙のほかにハガキや写真など、用紙を頻繁に取り換える人におすすめです。
また、フロントトレイよりも厚い紙に対応しやすく、ちょっと特殊な厚手の紙や封筒の印刷にも適しています。

ポイント解説
少し裏技的な方法になりますが、プリンターが対応する上限近くの厚さの紙を印刷するときに給紙が上手くいかない場合、背面トレイなら用紙を軽く手で押してあげると給紙できることもあります。さまざまなサイズの用紙を使う人や厚い紙に印刷する人は、背面トレイが搭載された製品を選ぶとよいでしょう。
筆者が選ぶ、手頃な価格のプリンター4選
編集部より)この章の商品は、2022年5月に選定いただきました

おすすめポイント
6色インクを搭載し、写真を高画質で印刷できるプリンターです。基本となる4色にライトマゼンタとライトシアンが追加されていて、肌の微妙な色合いや空の色のグラデーションも繊細に表現できます。一般的にインク数の多いプリンターは高価な上位モデルが多いのですが、本製品は印刷機能のみの単機能プリンターなので価格が抑えられています。 前面の2段トレイのほかに背面トレイも装備され、背面トレイでは0.6mm厚まで印刷できます。郵便はがきが約0.2mmなので、かなりの厚さの紙でも印刷が可能です。

おすすめポイント
単機能プリンターの中でも、モノクロ印刷に特化した製品です。カラー印刷ができないので写真には向きませんが、モノクロ文書の印刷ができればよい人にとっては優秀なプリンターといえます。印刷コストはA4文書1枚約2.8円で、カートリッジ式のプリンターとしては低コストです。印刷速度は毎分約15枚で印刷待ちのストレスがなく、耐久枚数は約5万枚。効率性が高くローコストなので、ビジネス用にも適したプリンターです。

おすすめポイント
大容量インクタンク搭載タイプで、印刷コストはA4カラー約0.9円、A4モノクロ約0.4円です。大容量インクタンク搭載のプリンターは本体価格が高い傾向にありますが、本製品は印刷のみの単機能プリンターでリーズナブルです。印刷スピードにも優れ、ファーストプリントはカラーが約19秒、モノクロが約13秒の速さを誇ります。用紙の入れ替えに便利な背面トレイを搭載し、さまざまな用紙に印刷することが多い現場で便利です。紙の専門店である松本洋紙店でも、実際に使用しています。

「G1310の特長」を紹介する公式動画がこちら

おすすめポイント
コピーやスキャン、FAX機能を備えた複合機です。写真の高画質印刷を追求したタイプのプリンターではありませんが、パソコンから印刷しなくても、FAXの受信内容を本体の液晶画面で確認できるといった便利な機能を備えています。印刷だけでなくコピー、スキャン、FAXをよく使う人におすすめの製品です。

〈編集部PICK UP〉手頃な価格のプリンター11選

Moovoo編集部
そのほか人気のプリンターをご紹介します。Moovoo編集部が、ECサイトの人気ランキングなどからピックアップしました。
- エプソン
-
ビジネスプリンター PX-S730
- 税込み16,682円(Amazon)
-
大量印刷にも応える耐久性
-
高密度ノズルを備えたPrecisionCoreプリントヘッドを搭載した製品。モノクロ印刷なら1分間に約31ページの印刷が可能で、最大10万ページ印刷できる耐久性があります。
ウォーミングアップタイムもモノクロプリントで最速6.3秒と短く、クライアントと接する対面業務にも活用できます。
印刷コストは1枚当たりカラー約11円・モノクロ約3.7円。メーカーでは「低印刷コストを実現し、オフィスのコスト削減に貢献」するとのこと。
外観 |
商品名 |
特長 |
本体サイズ |
インクの種類 |
インクの色数 |
インク形式 |
給紙方法 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
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【筆者おすすめ】エプソン Colorio 単機能モデル EP-306 |
染料6色インクで高画質 |
幅390×奥行338×高さ141mm |
染料 |
6色 |
カートリッジ |
フロントトレイ、背面トレイ |
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【筆者おすすめ】エプソン A4インクジェットプリンター PX-K150 |
低コストなモノクロプリンター |
幅392×奥行264×高さ148mm |
顔料 |
1色 |
カートリッジ |
背面トレイ |
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【筆者おすすめ】キヤノン ビジネスインクジェットプリンター G1310 |
交換頻度の少ない大容量タンク |
約幅445×奥行330×高さ135mm |
顔料1色、染料3色 |
4色 |
インクタンク |
背面トレイ |
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【筆者おすすめ】ブラザー工業 プリビオ MFC-J904N |
機能充実、FAX付きモデル |
幅400×奥行341×高さ172mm |
顔料1色、染料3色 |
4色 |
カートリッジ |
フロントトレイ、背面トレイ |
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エプソン Colorio EW-052A |
美しく印刷できるハイコスパアイテム |
幅390×奥行300×高さ146mm |
顔料1色、染料3色 |
4色 |
カートリッジ |
背面トレイ |
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エプソン ビジネスプリンター PX-S505 |
狭いスペースに無理なく置ける |
幅392×奥行264×高さ148mm |
顔料 |
4色 |
カートリッジ |
背面トレイ |
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エプソン Colorio EP-315 |
スマホからでもきれいにプリント |
幅390×奥行338×高さ141mm |
染料 |
6色 |
カートリッジ |
フロントトレイ・背面トレイ |
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エプソン ビジネスプリンター PX-S155 |
板書のコピー&配布も可能 |
幅392×奥行264×高さ148mm |
顔料 |
黒1色 |
カートリッジ |
背面トレイ |
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エプソン ビジネスプリンター PX-S730 |
大量印刷にも応える耐久性 |
幅425×奥行378×高さ164mm |
顔料 |
4色 |
カートリッジ |
フロント用紙カセット |
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キヤノン PIXUS TS203 |
細かい文字もくっきり印刷 |
約幅426×奥行255×高さ131mm |
顔料1色、染料3色 |
4色 |
カートリッジ、インクタンク |
背面トレイ |
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キヤノン TR153 |
ビジネスバッグに入る携帯用プリンター |
約幅322×奥行185×高さ66mm |
顔料1色、染料4色 |
5色 |
カートリッジ、インクタンク |
背面トレイ |
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キヤノン PIXUS TS8630 |
タッチパネルで直感的に操作 |
約幅372×奥行345×高さ142mm |
顔料1色、染料5色 |
6色 |
インクタンク |
フロント給紙カセット、背面トレイ |
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キヤノン Satera MF272dw |
毎分29枚の印刷スピードを実現 |
幅372×奥行320×高さ271mm |
顔料(トナー) |
黒1色 |
カートリッジ |
フロント給紙カセット、背面トレイ |
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ブラザー DCP-J526N |
写真もきれいに印刷できる |
幅400×奥行343×高さ151mm(突起部を除く) |
顔料1色、染料3色 |
4色 |
カートリッジ |
フロントトレイ、背面トレイ |
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ブラザー DCP-J926N |
紙以外の印刷にも対応 |
幅400×奥行341×高さ172mm(突起部を除く) |
顔料1色、染料3色 |
4色 |
カートリッジ |
フロント給紙カセット、背面トレイ |
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