〈プロ解説〉Canonの単焦点レンズ、おすすめ10選 写真の違いも紹介

南谷 有美
公開: 2019-09-17

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単焦点レンズとは

単焦点レンズとは、その名の通り1つの焦点距離しか持たないレンズのことを意味します。焦点距離とは、撮影できる範囲のことで、24mm、50mm…とこのような数値で表されます。実際に同じ被写体で撮影してみると、このようになります。

焦点距離を変えて撮影した写真

焦点距離の数値が小さいほど画角が広くなり、数値が大きいほど画角が狭くなります。焦点距離は、ズームレンズの場合は「24-105mm」、単焦点の場合は「50mm」というような形でそれぞれのレンズに記載されています。
焦点距離を変えて撮影できるのがズームレンズ、1つの焦点距離でしか撮影できないのが単焦点レンズということです。

単焦点レンズとズームレンズの違い(メリット・デメリット)

前項でご紹介した通り、1つの焦点距離でしか撮影することができないので、単焦点レンズは扱いにくいという印象を受けることが多いようです。しかし写真を仕事にしているカメラマンの中では、この単焦点レンズは絶大な人気を誇っています。
単焦点レンズに焦点をあて、そのメリットとデメリットをお伝えします。

単焦点レンズのメリット

①レンズが明るい

単焦点レンズの最大の魅力は、明るいレンズが多いということです。レンズには「f1.8」というような数値が記載されていますが、その数値が小さければ小さいほどレンズが明るく、ボケ感の強い写真を撮ることが可能です。雑誌などでよく見かける、モデルさんのまつげにピントがあっていて、鼻や目などそれ以外のパーツはボケているという写真は、単焦点レンズが使われています。印象的な写真に仕上がることが魅力です。

②ズームレンズに比べて、値段が安め

レンズの明るさにはF値が関係していると前項でお伝えしましたが、F値が小さくなるほど良いレンズとされており、値段もそれに比例して高くなりがちです。しかし単焦点レンズはズームレンズに比べて、同じようなグレードでも割と安価で手が入れることができます。

③軽い

レンズの作り自体がシンプルなので、ズームレンズに比べて軽いことが特徴です。

④画質が綺麗

レンズが明るいということも関係して、ズームレンズに比べて画質が綺麗です。暗い撮影シーンにも強いことが特徴。また、歪みや色被りなども少なく、手軽に綺麗な写真を撮ることができます。

単焦点レンズのデメリット

①焦点距離が固定されているので、自分で動いて焦点距離を変える必要がある

焦点距離が固定されてるので、画角を変える際は自分が前に行ったり後ろに下がる等して調整しなければなりません。ゆったり自分のペースで撮影できる時は良いかと思いますが、スポーツなど瞬時に判断して撮影しなければならないシチュエーションにおいては不向きだと言えます。

②レンズの交換回数が増える

画角を変えるもう一つの方法は、レンズを変えるということです。その時々にあった画角のレンズを装着していると、ズームレンズを使用する時に比べて明らかにレンズの交換回数が増えます。レンズをこまめに変えるのは面倒くさいという方には不向きなレンズになります。

③荷物が多くなる

前項の続きになりますが、色々な焦点距離のレンズを持つ必要があるので、単焦点レンズを使用する際は荷物が多くなってしまいがちです。

ズームレンズのメリット

①自由に画角を決められる
②レンズの交換回数が少ない
③荷物が少ない

ズームレンズのデメリット

①値段が高い
②重い
③画質が劣ってしまうことが多い


ズームレンズと単焦点レンズは、相反するものです。それぞれの特性を考慮して使用することをお勧めします。

実際に撮ってみた。単焦点レンズとズームレンズの作例比較

単焦点レンズとズームレンズの大まかな違いがわかったところで、どう写りが違うのかを実際に撮ってみました。

今回使用する単焦点レンズは、EF85mm F1.8 USM

EF85mm F1.8 USM

ズームレンズは、EF24-105mm F4L IS II USM

EF24-105mm F4L IS II USM

どちらも使用回数の多い、私のお気に入りのレンズです。同じ画角、同じ被写体、同じ条件(シャッタースピード、絞り、ISOなど)で、撮影してみました。

レンズの比較

いずれも、ISO100、F4、シャッター速度250で撮影したものです。
単焦点レンズの方が全体的に優しい印象で、周りがボケているので被写体が際立っています。このように、同じ条件で撮影してもレンズを変えるだけで違った印象に仕上がります。

おすすめの単焦点レンズ10選

初めての方にもおすすめの単焦点レンズをご紹介します。

単焦点レンズおすすめ①
  • EF50mm F1.8 STM

  • 税別19,500円
  • 初めての単焦点レンズにぴったり「EF50mm F1.8 STM」

  • 手軽な値段で、単焦点独特の風合いを楽しむことができます。APS-C機では見た目より画角が狭く写りますが、フルサイズ機では目で見たその風景をそのままカメラにおさめることができます。初めて単焦点レンズを持つ人におすすめの一品です。

単焦点レンズおすすめ②
  • EF85mm F1.8 STM

  • 税別 61,500円
  • 人物の撮影に最適!美しいボケが魅力「EF85mm F1.8 STM」

  • 私が最も使用している単焦点レンズ。距離感もちょうどよく、ポートレートの撮影時にぴったりです。美しいボケ感も魅力の一つです。

単焦点レンズおすすめ③
  • EF135mm F2L USM
  • 税別131,000円
  • 女性を美しく撮るのにおすすめ「EF135mm F2L USM」

  • 望遠のため近くに寄れないもどかしさはありますが、大人のポートレートにおすすめの単焦点レンズです。ハッとするような美しい写真を撮影することができます。女性のポートレートに特におすすめです。

単焦点レンズおすすめ④
  • EF100mm F2.8Lマクロ IS USM

  • 税別120,000円
  • 料理撮影に最適!マクロでの撮影も可能「EF100mm F2.8Lマクロ IS USM」

  • マクロ撮影も可能なのでいろいろなシーンで使うことができます。特におすすめは料理撮影。細かな描写まで表現することができます。

単焦点レンズおすすめ⑤
  • EF40mm F2.8 STM

  • 税別23,000円
  • 50mmの次はこちら。初心者でも安心「EF40mm F2.8 STM」

  • 50mmに慣れてきたらおすすめしたい1本です。パンケーキと呼ばれるレンズで、とにかく軽いことが特徴。それだけではなく描写も抜群なので、初心者の方でも楽しめる単焦点レンズです。

単焦点レンズおすすめ⑥
  • SIGMA 30mm F1.4 DC HSM

  • 税別55,000円
  • SIGMAからの刺客。APS-Cの方におすすめ「SIGMA 30mm F1.4 DC HSM」

  • こちらは純正ではありませんが、値段もコスパも抜群な1本。残念ながらフルサイズには対応していませんので、APS-Cの方におすすめのレンズです。

単焦点レンズおすすめ⑦
  • EF-S24mm F2.8 STM

  • 税別23,000円
  • スナップに大活躍。歪みが気にならない「EF-S24mm F2.8 STM」

  • Canon純正のレンズは、広角なのに歪みが気にならないのが特徴です。つけていることを忘れてしまいそうなくらいの超軽量。値段もお手頃なので、おすすめです。

単焦点レンズおすすめ⑧
  • TAMRON 単焦点マクロレンズ SP 90mm F2.8 Di MACRO 1:1 VC USD

  • 税別90,000円
  • 花や食べ物など、マクロ撮影におすすめ「TAMRON 単焦点マクロレンズ SP 90mm F2.8 Di MACRO 1:1 VC USD」

  • ここまで近づけるの?というくらい、被写体に接近して撮影することができます。純正レンズよりも安価で手に入ることも魅力です。

単焦点レンズおすすめ⑨

  • SIGMA 15mm F2.8

  • 税別55,239円
  • 憧れの魚眼レンズで表現の幅が広がる「SIGMA 15mm F2.8」

  • SIGMAから出ている、魚眼レンズ。持っているだけで、楽しい気分になれそうな1本です。魚眼レンズ特有の描写を楽しむことができます

単焦点レンズおすすめ⑩
  • YN50mm F1.8

  • 税別5,485円
  • 業界激震!衝撃の安さを誇る「YN50mm F1.8 」

  • 「YONGNUO」という中国のメーカーが出している単焦点レンズ。私もレンズやストロボなど、いくつか持っています。注目すべきは、その安さ。写りも申し分ないので、純正にこだわらない方には非常におすすめのレンズです。

まずは50mmから始めよう

単焦点レンズについて紹介してきましたが、いかがでしたか。「単焦点レンズって難しそう」「高いんでしょう?」と思っている方もいらっしゃったかと思いますが、値段も手頃で、気軽に始めることができます。
初心者の方は、人の見る景色に近い50mmから始めるのがおすすめです。単焦点レンズを手に入れて、もっと写真撮影を楽しみましょう。
※商品価格はいずれも2019年8月時点のものです

フリーランスカメラマン
南谷 有美
フリーランスのカメラマン。物撮りやブライダル、学校写真などその内容は多岐に渡るが、現在は広告系がメイン。カメラマンの前は保育士を5年、その他にはファスティングコンサルタント、カラーセラピストの資格を所有し、トレーナー育成経験も有り。

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