日本酒を料理に使おう。おいしいレシピと料理酒との違いも紹介

nagiy
公開: 2019-08-06

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和食に限らず料理をする際にはお酒を使うことがあります。洋食であればワインを使うように、和食では料理酒やみりんを使う方が多いでしょう。

この料理酒、見た目も日本酒によく似ていますよね。実際のところ料理酒と日本酒は同じものなのか?違うものなのだとしたら日本酒を料理に使うことはできないのか?とあれこれと疑問がわいてくることも多いでしょう。

そこで今回は、日本酒を料理に使うことはできるのか。そもそも料理酒と日本酒の違いはどんなことが挙げられるのか。こういった疑問点に関してスポットを当てていこうと思います!

日本酒を使った料理のレシピや、選び方に関しても触れていきます。


日本酒は料理に使えるの?

稲穂と米と日本酒

そもそも論として、まずは日本酒そのものを料理に使うことができるのか?といった基本的なところを見ていきましょう。日本酒を料理に使うメリットや効果を把握すれば、日常の料理のランクを上げることにもつながりますよ。

コクやうまみを深める美味しい調味料

日本酒は米や水を原料としたごくシンプルなお酒。しかしお酒を造る工程に「発酵」の過程があることから、非常にアミノ酸が豊富なお酒でもあります。

日本酒のコクやうまみの元となっているアミノ酸ですが、料理を作る際にもこのアミノ酸が非常に良い働きをしてくれるのです。食材にうまみやコクを足す、素材を柔らかくする効果、他にも調味料の味をしみこませやすくするといった効果まで期待できるんですよ。

今まで当たり前に使っていた方はもちろん、料理にお酒を使ったことがないなんて方は是非一度試してみてくださいね。

臭みを抜く効果も期待できる

日本酒自体に含まれるうまみ成分で、食材においしさをプラスする効果があると紹介しました。しかし日本酒の料理におけるメリットはこれだけではありません。

最も有名な効果としては、食材の臭み抜きでしょうか。煮魚にする前に酒を振りかけておく、なんて聞いたことがある方も多いでしょう。この日本酒を使った臭み抜きに関しては、きちんとした論拠を挙げることもできますよ。

 肉や魚には特有の生臭みがあり,特に魚介類に多い揮発性トリメチルアミンは,日本酒の揮発性カルボニル化合物と反応して臭みが消えます。また高級アルコール類,アルデヒド類,コハク酸などの日本酒の特有な良い香りがプラスされます。

出典:料理に使う日本酒の効果|日本酒造組合中央会

上記のように日本酒造組合中央会の論文でも、実際に日本酒を使うことで食材の臭みを消すことができるとされています。化学反応で臭みが消えるのだと考えれば、何故お酒を振りかける必要があるのか?

と疑問に思っていた方でも、日本酒を使いやすくなれそうですね。

料理酒と日本酒は違うもの?

では料理の際に使っていた「料理酒」と、基本的に飲酒を目的とした「日本酒」には、どんな違いがあるのでしょうか?

特に料理でしか日本酒を使わない方からすれば、両者の違いはあいまいなものだと感じます。ここからは、それぞれの違いや向いている料理に関してみていきましょう。

日本酒と料理酒の違い

両者の違いを一言で表すなら、添加物の有無です。日本酒はそもそもが飲酒を目的としたものなので、お酒造りの過程以外で何かを足すことはありません。

しかし料理酒は飲酒を目的としたものではなく、味付けを目的としたものなので塩や砂糖などが後から添加されているのです。

料理酒は純粋な基準で言えば、日本酒ではないといえますね。また塩など調味料が添加されていることから、そもそも料理酒はお酒のカテゴリから外れています。

お酒はお酒でしょ?と考えていた方からすれば、実は大きく違っていたことにびっくりしてしまいそうですね。

それぞれにむいた料理の傾向

料理酒は日本酒に調味料を添加した物なので、基本的に濃い味付けをしたい料理に向いているといえるでしょう。ブリの照り焼きや煮魚などがスタンダードでおすすめです。

反して日本酒を料理に使うのなら、繊細な味わいを楽しみたい時に使うのがおすすめ。そもそも日本酒そのものは味付けというよりも、臭み抜きなど食材そのもののうまみを底上げすることが主たる目的。

味付けそのものを目的にするのか、下ごしらえで利用するかによって区別してもいいでしょう。また、普段日本酒を利用していたけれど料理酒を使うことになった、このような場合は味付けを少し控え目にするといつも通りの味わいを再現することができますよ。

反対の場合も同じような原理が働くので、日本酒以外の調味料を気持ち多めにしてみましょう。

日本酒を使ったおすすめレシピ

アサリの酒蒸し

では実際に、日本酒を使った料理のレシピについても見ていきましょう。

鉄板メニューから思いつかないような隠し味、パーティにもピッタリなパーティレシピまで紹介していきます!今まで日本酒を持て余していた方はぜひチャレンジしてみてくださいね。

鉄板メニュー 貝、魚の酒蒸し

鉄板メニューであると同時に、調味料がお酒以外必要ないので手軽さも魅力的なレシピです。

・レシピ
貝(アサリ)の酒蒸し
1.砂を吐かせたアサリを殻をこするように洗い、フライパンに入れる。
2.酒を振りかけフライパンに蓋をして蒸し煮に。
3.アサリが口を開けば出来上がり、器に盛ってねぎを散らしていただきましょう。

魚(白身ならなんでもOK)の酒蒸し
1.表面に塩を振って1時間ほど放置、後に霜降りにしておきます。
2.表面の水けをきり、昆布を敷いた皿に魚を置いて上から日本酒をたっぷり振りかけて蒸し器にセット。
3.強火10分程度で出来上がり。ポン酢や紅葉おろしと一緒にいただきましょう。

隠し味にいかが?カレー

ちょっと意外な組み合わせですが、カレーの隠し味に日本酒を使うのもおすすめ。作り方も普通のカレーを作りながら、お水と一緒に日本酒をたっぷりと入れるだけなのでとっても簡単。

普段のカレーを作る際に、ちょっとプラスしてみてはいかがでしょうか。具材が柔らかくなるので、すじ肉やかたまり肉を使う過程こそ試してほしい隠し味です。

魚の煮つけや煮込み料理で滋味深く

日本酒のうまみやコクを一番感じやすいのが、煮つけ等煮込み料理でしょう。コトコトと弱火で煮込んでいく工程は、それだけでおいしそうに感じられるものですよね。

カレーと同じように基本的には、水を足した時に同じタイミングで日本酒を入れることがポイント。味つけの最初に日本酒を加えることで、後から入れる調味料の味をしみこませやすくする効果も期待できます。

調理量を入れる順番には、少し拘ってみてくださいね。

コスパは度外視!美酒鍋

広島の酒造で杜氏たちのまかないに作られたのが初めだという「美酒鍋」。日本酒の大量消費にピッタリなうえに、簡単な作り方から一時期非常に人気が出たこともありますね。

自宅でチャレンジするには少し勇気が要るレシピですが、どんな作り方なのか見てみましょう。日本酒好きを集めてパーティなんてときにおすすめですよ。

・材料
豚バラ肉  500g
鶏モモ肉  500g
砂肝    500g
白菜    半玉
シイタケ  2袋
ピーマン  2袋    
ニンジン  1本
厚揚げ   2枚
ニンニク  適量
日本酒   適量
塩コショウ 適量(気持ち多め)

・美酒鍋の作り方
1.厚手の鍋で豚バラを炒め油を出します。
2.油が出たら鶏肉、砂肝を追加して塩コショウで味付け。
3.にんにくを加えたらすべての食材が被るくらいまで日本酒を投入。
4.上からお好みの野菜を追加し、野菜の水分と日本酒で煮込んでいきます。
5.材料全てに火が通るまで日本酒を足しながら中火に。
6.具材に火が通ったら溶き卵につけながらいただきましょう。

味付けに使う日本酒は何がよいのか

では料理に日本酒を使う場合、選び方はどうすればよいのでしょうか?いつもいつも贈り物の日本酒が余っている…なんて状況の方が珍しいですよね。自身で購入する際の目安を見ていきましょう。

値段は気にせずお好みのお酒を

基本的に料理に使う日本酒を選ぶといっても、これでなければだめ!なんて堅苦しい基準があるわけではありません。

あまりに安いパック酒などでは、期待できる効果が見られないのでは?と不安になってしまう方もおられるかもしれませんが、この心配も必要なし。

特に気にすることなくお好みの日本酒や、手元に置いておきやすい価格帯の日本酒を選べばそれでOK。

ただ何でもよいといわれてしまうと、逆に選びにくいと感じてしまうものですよね。そこで一つだけ選び方の基準を挙げるとすれば、醸造酒よりも純米酒がおすすめといったところでしょうか。

醸造酒は別途醸造アルコールを使われた日本酒であることから、純米酒よりも日本酒の香りが強い傾向があります。この吟醸香は料理に使うことでほぼわからなくなりますが、人によっては香りが鼻についてしまうこともあるのです。

料理の邪魔をしない、という点を大切に考えるのなら、純米酒の方がよりおすすめだといえるでしょう。

おいしくいただくための注意点

コップに注がれる冷酒

最後は日本酒を料理に使う際の注意点や、ちょっとした疑問点について見ていきましょう。安全な食卓のためにも、きちんと把握しておくべき点について触れていきます。

日本酒を使った料理を子どもに食べさせるのは?

日本酒を料理に使う、と考えた際に一番に心配となるのが、子どもや妊婦さんに食べさせても大丈夫なのか?といった点ではないでしょうか。

どれだけおいしくなるといっても、アルコールが入ったものを小さな子供や妊婦さんに食べさせるわけにはいきません。しかし、この点は火のかけ方によってクリアすることができます。

日本酒に限らず、アルコールは熱を加えることで揮発させることができますよね。したがってきちんとアルコールを飛ばしていれば、子どもや妊婦さんが食べても問題ありません。

どうしても心配な場合は、料理に加える前に別の鍋を使って日本酒を煮切っておきましょう。料理の加熱だけでは心配でも、先にアルコールを飛ばした日本酒を使うことで、より安心して利用することができますよ。

煮切る方法は日本酒を沸騰するまで沸かし、そのまましばらく沸騰させ続けるだけ。沸騰させる時間は3~40秒でOKです。

料理酒って飲めるの?

結論から言えば「飲めるけれどおいしくない」です。上記でも紹介してきたように、料理酒はあくまでも日本酒に塩やうまみ成分を添加した調味料。

お酒として飲むには味が濃すぎる、調味料が添加されていることからくどい味わいになっているといえます。そもそも料理酒は添加物があることから、お酒のカテゴリからも外れているもの。

ちょっと味見をしてみる…くらいならよくある事でしょうが、お酒として飲むのはやめておきましょう。

日本酒に合う料理の選び方

最後は日本酒を料理に使うのではなく、料理と一緒に楽しむための選び方を見ていきましょう。といっても自宅で飲む場合は、自分の好みの組み合わせで十分だと考えられます。

したがってここで紹介するのはあくまでも傾向です。おつまみ選びに迷ったときなど、ちょっとした目安にしてみてくださいね。

・純米酒に合う料理の傾向
お米のふくよかな味わいが感じられる純米酒。極論を言えばごはんに合う料理なら、どんなものでも合わせやすい日本酒だといえます。煮物や焼き魚など味わいがしっかりしたものを選んでみましょう。

ちなみにごはんのお供である、海苔の佃煮系もおすすめです。単品でいただくには味が濃いので、ちびちびと合わせてみてくださいね。

・吟醸酒に合う料理の傾向
日本酒の中でも香り高さが大きな特徴の吟醸酒。フルーティな香りを際立たせるためにも、比較的に淡白で素材の味わいを生かしたものが合わせやすいといえるでしょう。旬の魚のお刺身や塩でいただく天ぷらなどもおすすめ。

・本醸造系に合う料理の傾向
香りやうまみが控え目で、辛口なものが多い本醸造系。どんな料理にも合わせやすく便利な日本酒だといえるでしょう。淡白なお刺身はもちろん、濃い味わいの煮豚などもあっさりいただける懐の深さがありますよ。手軽さから普段飲みにもおすすめですね。

まとめ

今回は日本酒を飲むのではなく、料理に使う際のポイントなど見てきました。日本酒に興味がない方からすれば、日本酒を料理に使う必然性がわからない。こんな方も多いと思いますが、便利なものだとわかっていただけたら嬉しいです。

料理に使う場合は日本酒はあくまでもわき役。しかしあるとないとでは、大きく仕上がりに影響があるものなんですよ。

今まであまり意識したことがなかった。日本酒は家にはないなという方こそ、これを機会に料理に日本酒を取り入れてみてくださいね。


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