〈プロ解説〉防災用ヘルメット、おすすめ9選 安全性や使い勝手で選ぶ
地震など大規模な災害への対策として、防災用品への関心が高まっています。中でも大事な頭を守るために備えておきたいのが、防災用ヘルメットです。
さまざまな製品がある中、いざというときに使い勝手に優れ、安全性の高い製品を選びたいところ。そこで、防災用ヘルメットの正しい選び方から、おすすめ商品まで詳しく解説します。
目次
おすすめ・人気商品をまずは一覧で

外観 |
商品名 |
特長 |
サイズ |
対応頭囲 |
重量 |
材質 |
国家検定 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
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【筆者おすすめ】 加賀産業 オサメット KGO-1 |
じゃばら形状で組み立てが簡単 |
幅210×奥行281×高さ132mm(装着時)、幅210×奥行281×高さ45mm(収納時) |
55~64cm |
約375g |
ABS樹脂(帽体) |
飛来・落下物用 |
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【筆者おすすめ】 ミドリ安全 Flatmet 2 TSC-10N |
カバンにも入れやすくコンパクト |
約幅285×奥行208×高さ150mm(装着時)、約幅355×奥行33×高さ203mm(収納時) |
47~62cm |
420g |
ポリプロピレン(帽体) |
飛来・落下物用 |
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【筆者おすすめ】 TOYO SAFETY(トーヨーセイフティ) ヴェンティープラス No.391F-S-C |
目を守るシールド付きで高コスパ |
ひさし長さ約33mm |
53〜62cm |
約544g |
ABS樹脂(帽体) |
飛来・落下物用、墜落時保護用 |
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【筆者おすすめ】 DICプラスチック 折りたたみヘルメット IZANO2 |
子どもから大人まで幅広く使える |
幅222×奥行297×高さ139mm(装着時)、幅222×奥行297×高さ63mm(収納時) |
47〜62cm |
約450g |
ABS樹脂(帽体) |
飛来・落下物用、墜落時保護用 |
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【筆者おすすめ】 TOYO SAFETY(トーヨーセイフティ) 防災用折りたたみヘルメット BLOOM II No.101 |
ワンタッチで組み立てられる手軽さ |
幅263×奥行201×高さ145mm(装着時)、幅358×奥行45×高さ197mm(収納時) |
52〜61cm |
約370g |
PP+PE樹脂(帽体)、ABS樹脂(帽体中央カバー) |
飛来・落下物用 |
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トーヨーセフティー(TOYO SAFETY) 折りたたみヘルメット BLOOMⅢ ムーボ No.105 |
コンパクトに収納できる折りたたみ式 |
幅208×奥行277×高さ140mm(装着時)、幅208×奥行277×高さ74mm(収納時) |
52~61cm |
約415g |
ABS樹脂(帽体) |
飛来・落下物用、墜落時保護用 |
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谷沢製作所 回転式ヘルメット クルボ ST#130 |
子供から大人まで対応したヘッドバンド |
幅208×奥行278×高さ140mm(装着時)、幅208×奥行278×高さ80mm(収納時) |
42~62cm |
420g |
ABS樹脂(帽体) |
飛来・落下物用、墜落時保護用 |
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加賀産業 防災用ヘルメット Botype KGBo-1 |
首や体への負担が少ない軽量タイプ |
幅222.8×奥行279.9×高さ168.1mm |
54~62cm |
約330g |
ABS樹脂(帽体) |
飛来・落下物用、電気用 |
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スターライト工業 スタンダードタイプ SS-100AJZ FS-100AJ |
省スペースに保管できるコンパクト設計 |
幅222×奥行270×高さ167mm |
54~61cm |
355g |
ABS樹脂(帽体) |
飛来・落下物用、墜落時保護用、電気用 |
防災用ヘルメットの必要性

Photo by iStock
「ヘルメットは必要?」「少し大げさ過ぎるかも」と考える方、災害を侮らないでください。
大きな災害がもし起きた場合、都市部であればマンションなど集合住宅も多く、高い建物からガラスや外壁などが落ちてくる危険性があります。また山間部では、崖崩れなどで落石や木が倒れてくることも。
人間の急所である「頭」にそれらが当たったら最悪命を落とす危険があり、身の安全を守るためにも防災用ヘルメットは必需品です。
防災用ヘルメットの基本的な選び方

岡部 梨恵子さん
安全性の高さに注目した防災用ヘルメットの選び方を紹介します。
国家検定合格品を選ぶ

ECサイトなどでは、安価なものを含め数多くのヘルメットが販売されています。とはいえ、安さで選ぶのではなく、強度の高い材質で安全基準をクリアした製品を選ぶことが肝心です。
防災用ヘルメットを含めた保護帽に対して厚生労働省が定めている国家検定規格が保護帽の規格です。以下の2種類があります。
- 飛来・落下物用:物体の飛来や落下による危険を防止、または軽減するためのもの
- 墜落時保護用:はしごなど高所からの墜落による危険を防止、または軽減するためのもの

ポイント解説
「飛来・落下物用」の検定に合格しているものを選びましょう。「墜落時保護用」にも適合している製品であれば、より安全性の高い製品です。
耐用年数や耐熱性、材質による違い

Photo by iStock
材質の違いによって耐用年数や性能なども変わってきます。長く使えるものを選ぶなら、材質をチェックしましょう。
▼ 低価格帯の製品は耐用年数が短め
一般的に低価格帯の防災用ヘルメットは、ABS樹脂やポリカーボネート(PC)、ポリエチレン(PE)などの材質でできています。これらは耐用年数が2~3年と短く、さらにポリエチレンなどは熱で溶けやすい点にも注意しましょう。
▼ FRP製は耐用年数が長く、耐熱性も
FRP(繊維強化プラスチック)を使用した防災用ヘルメットは強度が高く、耐用年数が4~5年と長いのも特徴。また、耐熱性に優れ、火災から避難する際の使用にも適しています。
ヘッドバンド付きなら密着性高く

Photo by iStock
頭部にしっかりと固定するために後頭部から押さえてくれるのがヘッドバンド。密着感が高まり、ぐらつきを防いでくれるため、走ってもズレにくくなります。ヘルメット内部にヘッドバンドがあるものを選びましょう。
折りたたみ式は組み立てやすいものを

現在はコンパクトに収納できて衝撃にも強い折りたたみ式の防災用ヘルメットが主流になってきています。
「備えあれば憂いなし」とはいうものの、かさばるヘルメットは生活のジャマにならない天袋や倉庫などにしまいがちです。その結果、もしものときにすぐに取り出せないことも。
そこで、収納性に優れた折りたたみ式ヘルメットが便利です。選ぶ際は以下の3点をチェックしましょう。
- 耐衝撃性に優れていて、国家検定規格に合格しているか
- 組み立てまでの手間が少なく、ワンアクションだと理想的
- 頭にフィットしやすく、しっかりと固定される設計か
折りたたみ式の中には、いざというときに組み立てに時間がかかるものや、フィットしにくく装着した後にズレやすい製品もあります。組み立て方や対応サイズ(対応頭囲)、密着性を高めるヘッドバンドの有無などを確認しましょう。
記事後半の「筆者が選ぶ防災用ヘルメット5選」では、組み立てが簡単な防災ヘルメットを紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
子ども用を選ぶときのポイント

Photo by iStock
防災用ヘルメットが必要なのは、とくに子どもたち。なぜなら子どもは背が低く、そのため倒れてきた棚や落下物による衝撃が増幅されるからです。
自転車用ヘルメットや防災頭巾を災害時の備えとしているご家庭もあるかと思いますが、安全性の高さを考えるなら子どもにも防災用ヘルメットが必要です。
防災頭巾と比べ、高い耐衝撃性

「災害時には防災頭巾を子どもにかぶせる」と考えている保護者の方は多いようです。しかし、実際に災害が起きた場合、炎だけでなく落下物などからも大切な頭部を守ることが重要です。そのため、耐衝撃性にも目を向けましょう。
防災頭巾の衝撃吸収性の基準は、5kgのおもりを防災頭巾をかぶせた人頭模型の上「10cm」の高さから落下させ、人頭模型に加わる衝撃力が7.4kN(キロニュートン)以下と定められています(防炎製品性能試験基準 P7/JFRA 日本防炎協会)。たった10㎝上からの落下物による衝撃を軽減できたとしても、実際の災害時に役立つのか不安が残ります。
一方で防災用ヘルメットの場合、「飛来・落下物用」の検定基準によると5kgのおもりを「1m」の高さから落下させ、人頭模型に加わる衝撃力が4.9kN以下と定められています(保護帽の規格)。
つまり耐衝撃性で見ると、国家検定に合格している防災用ヘルメットは、基準をクリアしている防災頭巾と比べても圧倒的に高い安全性を備えているのです。

ポイント解説
防災頭巾を選ぶ方に注意してほしいのは、柄(がら)のある防災頭巾に、日本防炎協会の性能基準をクリアしている製品はほとんどありません。子どもが気に入りそうなものよりも安全性を重視することが肝心です。
▼ 防災用キャップという選択肢も
子ども向けに、防災用キャップというものもあります。プロテクターを備え、日本防炎協会が定める防災頭巾の性能基準に比べて3倍以上の衝撃吸収性能を備えている点が特徴。また、周りの音が聞こえにくくなる防災頭巾に比べ、耳をふさがない点もポイントです。

自転車用ヘルメットで代用は? 構造の違いに注意

Photo by iStock
自転車用ヘルメットは転倒や激突した時の衝撃を吸収するようにできていますが、頭上からの落下物の衝撃に耐えるための構造ではありません。反対に、防災用ヘルメットもサイクリング中のリスクを軽減するための構造ではないため、それぞれ適した用途で使用することが肝心です。
サイズ選びにはとくに注意を

落下物などへの危険を意識しながら避難することが難しい子どもには、耐衝撃性はもちろん、対応サイズ(対応頭囲)にも注意して走ってもズレにくく、しっかりと頭にフィットするものを選ぶことが大切です。
また、火災から避難する状況では、熱で溶けやすいポリエチレン素材のものは危険です。耐火性・耐熱性に優れたFRP製の防災用ヘルメットをおすすめします。
しぼりあごひもタイプが、子どもにおすすめ

防災用ヘルメットのあごひもには、器具を上にあげるだけで簡単に長さを調節できる「しぼりあごひもタイプ(コードストッパー式)」や、差し込んでカチッと固定できる「バックルタイプ」が主流です。
バックルタイプはワンタッチで便利そうですが、ヘルメットを装着した状態で長さ調節するのが難しいです。子ども向けなら、しぼりあごひもタイプがおすすめ。
また、折りたたみ式を選ぶ場合、収縮式(じゃばら形状)はかぶるだけで組み立てられる点がメリット。強い力や特別な操作が不要で、子どもでも簡単に使えます。

続いて、筆者が選ぶ防災用ヘルメット5選
編集部より)この章の商品は、2022年5月に選定いただきました

おすすめポイント
じゃばら形状は上からの衝撃に耐えられるのか不安になりますが、ハンマーで叩いてもビクともしない強度の高さに驚きです。一番上のプレートを押すと若干へこむ構造で、内側には発泡スチロール製ライナーを使用し、高い衝撃吸収力を備えています。組み立て方は頭にかぶせて下に引っ張るだけと簡単で、素早くヘルメットとして使用できる手軽さも魅力。しぼりあごひもを採用し、長さ調節が簡単なのもポイント。折りたたむとA4サイズで保管できるので、デスク周りなど身近な場所に収納できます。
▼ オサメットの使い方を紹介する公式動画

おすすめポイント
頭にかぶった際のフィット感に優れ、メーカーによると業界最薄クラス(折りたたみ時の厚さ3.3cm)で、引き出しやカバンに入れやすいため、携帯するのにも便利です。しかも使いたいときは力を入れなくてもワンアクションでヘルメット型になるのもポイント。あごひもは装着しながら長さを簡単に調整できる、しぼりあごひもを採用。コンパクトに収納できるのが魅力の折りたたみ式防災用ヘルメットです。


おすすめポイント
注目は、くもり止め加工が施されたシールドレンズです。ヘルメット前面にある透明なカバーが紫外線をカットし、さらに足元が見えにくいほどホコリが舞う状況でも目を守ってくれます。ヘルメットの内側には消臭加工素材を使用し、通気性にも優れています。静電気防止加工により、ホコリがつきにくい点も嬉しいポイントです。比較的手頃な価格でありながらシールドレンズまで付属し、コスパのよい防災用ヘルメットといえます。

おすすめポイント
折りたたみ式ですが、使用する際は内側から押し出すだけです。フィット感に優れ、長くかぶっていても負担になりにくい点が魅力。内部の部品に汚れが染み付いても、部品交換ができます。やや難点をいえば、あごひもにワンタッチ式のバックルタイプを採用し、長さ調節をする際に手間がかかります。ただ、飛来・落下物と墜落時保護の両方の検定に合格しているため、強度と安全性に優れています。


おすすめポイント
前後から内側へ押すだけのワンタッチで組み立てられる手軽さがポイント。フィット感もよいものの、ただ1点、あごひもはバックルタイプで、頭にかぶった状態で長さを調整するのは簡単ではありません。
あると便利な防災グッズ
防災用ヘルメットと一緒に用意しておくと、いざというときに便利なアイテムを紹介します。

おすすめポイント
ヘッドライトは暗い場所でも両手を使って作業ができるので便利です。頭に直接装着するタイプは締め付け感で頭痛がする場合もありますが、こちらはヘルメットの上から装着できます。400ルーメンと明るさがあり、対塵・防滴仕様のため、少しの雨でも使えます。

おすすめポイント
災害時などで助けを求めるのに役立つのが防災用のホイッスル。身の安全のため、持っておいてほしいアイテムです。こちらの商品のおすすめポイントは以下の通り。・携帯性に優れている・人間の耳に聞こえやすい高さの音を2種類同時に発生させることで、より広範囲の人に注意喚起できる・キャップ付きで吹き口を清潔に使用できる・ネックストラップなどに取り付けられるため、常に携帯しやすい
〈編集部ピックアップ〉防災用ヘルメット、人気メーカーの売れ筋商品

Moovoo編集部
数ある防災用ヘルメットの中でもECサイトなどで売れ行き好調な、人気メーカーの製品を紹介します。ぜひ参考にしてください。
外観 |
商品名 |
特長 |
サイズ |
対応頭囲 |
重量 |
材質 |
国家検定 |
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【筆者おすすめ】 加賀産業 オサメット KGO-1 |
じゃばら形状で組み立てが簡単 |
幅210×奥行281×高さ132mm(装着時)、幅210×奥行281×高さ45mm(収納時) |
55~64cm |
約375g |
ABS樹脂(帽体) |
飛来・落下物用 |
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【筆者おすすめ】 ミドリ安全 Flatmet 2 TSC-10N |
カバンにも入れやすくコンパクト |
約幅285×奥行208×高さ150mm(装着時)、約幅355×奥行33×高さ203mm(収納時) |
47~62cm |
420g |
ポリプロピレン(帽体) |
飛来・落下物用 |
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【筆者おすすめ】 TOYO SAFETY(トーヨーセイフティ) ヴェンティープラス No.391F-S-C |
目を守るシールド付きで高コスパ |
ひさし長さ約33mm |
53〜62cm |
約544g |
ABS樹脂(帽体) |
飛来・落下物用、墜落時保護用 |
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【筆者おすすめ】 DICプラスチック 折りたたみヘルメット IZANO2 |
子どもから大人まで幅広く使える |
幅222×奥行297×高さ139mm(装着時)、幅222×奥行297×高さ63mm(収納時) |
47〜62cm |
約450g |
ABS樹脂(帽体) |
飛来・落下物用、墜落時保護用 |
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【筆者おすすめ】 TOYO SAFETY(トーヨーセイフティ) 防災用折りたたみヘルメット BLOOM II No.101 |
ワンタッチで組み立てられる手軽さ |
幅263×奥行201×高さ145mm(装着時)、幅358×奥行45×高さ197mm(収納時) |
52〜61cm |
約370g |
PP+PE樹脂(帽体)、ABS樹脂(帽体中央カバー) |
飛来・落下物用 |
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トーヨーセフティー(TOYO SAFETY) 折りたたみヘルメット BLOOMⅢ ムーボ No.105 |
コンパクトに収納できる折りたたみ式 |
幅208×奥行277×高さ140mm(装着時)、幅208×奥行277×高さ74mm(収納時) |
52~61cm |
約415g |
ABS樹脂(帽体) |
飛来・落下物用、墜落時保護用 |
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谷沢製作所 回転式ヘルメット クルボ ST#130 |
子供から大人まで対応したヘッドバンド |
幅208×奥行278×高さ140mm(装着時)、幅208×奥行278×高さ80mm(収納時) |
42~62cm |
420g |
ABS樹脂(帽体) |
飛来・落下物用、墜落時保護用 |
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加賀産業 防災用ヘルメット Botype KGBo-1 |
首や体への負担が少ない軽量タイプ |
幅222.8×奥行279.9×高さ168.1mm |
54~62cm |
約330g |
ABS樹脂(帽体) |
飛来・落下物用、電気用 |
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スターライト工業 スタンダードタイプ SS-100AJZ FS-100AJ |
省スペースに保管できるコンパクト設計 |
幅222×奥行270×高さ167mm |
54~61cm |
355g |
ABS樹脂(帽体) |
飛来・落下物用、墜落時保護用、電気用 |
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