
〈プロ解説〉ペンタブレットおすすめ21選、液タブ・板タブの選び方も詳しく
※記事で紹介した商品を購入すると、売上の一部がMoovooに還元されることがあります。
デジタルイラストや画像編集を楽しみたい方にとって、ペンタブレットは必須とも言えるデバイス。
以前は日本でシェアNo.1を誇る国内メーカーWacom(ワコム)一択という時代もありましたが、近年は海外メーカーのHUION(フイオン)やXP-PEN(エックスピーペン)なども台頭し、リーズナブルなペンタブレットが数多く登場しています。
手頃な価格のモデルが増えた一方で、どれを選ぶべきか迷う方も多いことでしょう。
そこで今回は、選び方解説ゲストとしてイラストレーターのrefeiaさんにご協力いただき、ペンタブレット選びで最も重要な「板タブ・液タブ」の違いや選ぶポイントなどを解説していただきました。
自分にぴったりの1台を見つける参考にしてみてください。

この記事ではペンタブの選び方を解説していきます。まずは板タブ・液タブの違いについて、続いて板タブ・液タブの選び方をご紹介します。初心者の方にもわかりやすく説明しますので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
おすすめ・人気商品をまずは一覧で
外観 |
商品名 |
特長 |
サイズ |
重量 |
読み取り範囲 |
筆圧レベル |
主な付属品 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
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【選び方解説ゲストおすすめ】Wacom(ワコム) One by Wacom(CTL-672/K0-C) |
ファンクションキーなどが無いシンプルなMサイズモデル |
横277×縦189×高さ8.7mm |
約432g(USBケーブル除く) |
横216×縦135mm |
2,048 |
Intuos 筆圧ペン(LP-190K)、替え芯3本、USBケーブル(1m) |
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【選び方解説ゲストおすすめ】Wacom(ワコム) Cintiq Pro 16(2021)※Amazon限定特典付き |
マルチタッチ機能に対応、指を使って感覚的な操作が可能 |
横410×縦266×高さ22mm |
1,900g |
横344×縦194mm |
8,192 |
Wacom Pro Pen 2、替え芯13本(通常芯6本、標準芯3本、フェルト芯4本)ペンスタンド、ペンホルダー、USBケーブル2本(USB type-Cケーブル1.0m、USB type-C - USB-A変換ケーブル1.8m) |
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Wacom(ワコム)Intuos Small TCTL-4100/K0 ※Amazon限定特典付き |
基本的な機能を搭載したWacomエントリーモデル |
横200×縦160×高さ8.8mm |
250g |
横152×縦95mm |
4,096 |
Wacom Pen 4K、替え芯3本、USBケーブル(ケーブルバンド付、1.5m) |
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Wacom(ワコム) Intuos Pro Medium PTH-660/K0 |
高精細ペンと8個のファンクションキーを搭載 |
横338×縦219×高さ8mm |
700g |
横224×縦148mm |
8,192 |
Wacom Pro Pen 2(消しゴム付き筆圧ペン)、替え芯10本(標準芯6本、フェルト芯4本)、ペンスタンド、USBケーブル(USB Type-C - USB) |
![]() |
XP-Pen(エックスピーペン) Deco 01 V2 |
ファンクションキーを8個、8,192レベルの筆圧を感知 |
横350.5×縦215.9×高さ7.6mm |
589.67g |
横254×縦158.75mm |
8,192 |
充電不要ペンP05、替え芯8本、ペンスタンド、二本指グローブ、保護フィルム、USBケーブル |
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Wacom(ワコム) Intuos Pro Paper Edition Medium PTH-660/K1 |
手描きイラストを取り込める板タブ |
横338×縦219×高さ8mm |
700g |
横224×縦148mm |
8,192 |
Wacom Pro Pen 2(消しゴム付き筆圧ペン)、Wacom Finetip Pen、替え芯13本(標準芯6本、フェルト芯4本、Wacom Finetip Pen用3本)、ペンスタンド、USBケーブル(USB Type-C - USB) |
![]() |
Princeton PTB-W1 |
ワイヤレス接続でデスク周りをスッキリと使える |
幅278×奥行282×高さ20mm |
595g |
横203.2×縦152.4mm |
1,024 |
スタイラスペン、替え芯2本、芯抜きなど |
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Xencelabs(センスラボ) Xencelabs ペンタブレット Medium BPH1212W-A |
2種類のペンをはじめ、付属品が充実 |
約横320.5×縦232.9×高さ8mm |
約711g |
262.4×147.4mm |
8,192 |
3ボタンペン、スリムペン、替え芯10本、タブレットスリーブケース、ペンケース、グローブ |
![]() |
XP-Pen Deco mini7W |
コンパクトで持ち運びに困らない |
幅260.2×奥行162.2×高さ9.3mm |
330g |
横177.8×縦111.1mm |
8,192 |
P05Dスタイラスペン、替え芯10本、芯抜きなど |
![]() |
XP-Pen Deco Pro SW |
スリムなデザインで作業場所を選ばない |
横350.8×縦199.5×高さ16.5mm |
650g |
横228.6×縦127mm |
8,192 |
PA1 バッテリーフリースタイラスペン、替え芯10本、2本指グローブなど |
![]() |
XP-Pen Star G960S Plus |
消しゴム機能つきペンで直感的に作業可能 |
幅319.5×奥行209.5×高さ10mm |
記載未確認 |
横228.8×縦152.6mm |
8,192 |
PH2スタイラスペン、替え芯10本、芯抜きなど |
![]() |
Princeton WoodPad PTB-WPD10 |
天然素材の天板で紙に近い描き心地 |
幅294×奥行178×高さ7.5mm |
約280g |
横224×縦140mm |
4,096 |
専用ペン、替え芯3本、芯抜きなど |
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Wacom(ワコム) Wacom One 13 DTC133W1D ※Amazon限定特典付き |
13.3型液晶にフルHD解像度、複数のソフトが付属 |
横357×縦225×高さ14.6mm |
1,000g |
横294×縦166mm |
4,096 |
Wacom One Pen、替え芯3本、USBケーブル(1.8m) |
![]() |
Wacom Cintiq Pro 24 touch DTH-2420/K0 |
4K解像度対応で細部まで描画可能 |
幅677×奥行394×高さ47mm |
7200g |
横522×縦294mm |
8,192 |
Wacom Pro Pen 2、替え芯10本など |
![]() |
XP-Pen(エックスピーペン) Artist 22 2nd |
XP-PENの最新モデル |
横538×縦332×高さ25.8mm |
5,050g |
横476.064×縦267.786mm |
8,192 |
PA6スタイラスペン、替え芯8本、2本指グローブ、USBケーブル2本(USB-Type C - USB-Type C/USB-A - USB-Type C)、HDMIケーブル |
![]() |
Wacom(ワコム) Cintiq 22 DTK2260K1D ※Amazon限定特典付き |
大画面21.5型フルHD |
横570×縦359×高さ40mm(スタンド除く) |
5,600g(スタンド除く)/6,500g(スタンド含む) |
横476×縦269mm |
8,192 |
Wacom Pro Pen 2、替え芯3本、着脱式ペンホルダー、USBケーブル(2m)、HDMIケーブル(2m) |
![]() |
XP-Pen(エックスピーペン) Artist 13.3 Pro |
リングホイールを搭載したプロ向けモデル |
横390.4×縦249.98×高さ12.9mm |
1,140g |
横293.76×縦165.24mm |
8,192 |
バッテリーレス・スタイラスペン、替え芯8本、ペンホルダー、ポータブルスタンド、2本指グローブ、USBケーブル(3-in-1) |
![]() |
XP-Pen(エックスピーペン) Artist Pro 16TP |
マルチタッチ対応の4K液晶タブレット |
横406.4×縦263.1×高さ15.4mm |
1,520g |
横345.6×縦194.4mm |
8,192 |
バッテリーフリースタイラスペン、替え芯9本、ペンケース、2本指グローブ、USBケーブル2本(USB-C - USB-C) |
![]() |
Wacom(ワコム) Wacom One スターターパック ACK44628D |
Wacom One 13に鉛筆型ペンが付属するスターターパック |
横357×縦225×高さ14.6mm |
1,000g |
横294×縦166mm |
4,096 |
Wacom One Pen、Hi-uni DIGITAL for Wacom、替え芯3本、Wacom One用接続ケーブル |
![]() |
Xencelabs XMCTBMJPKR-SE |
2種類のペンで操作可能 |
幅320.5×奥行232.5×高さ8mm |
710.5g |
横262.4×縦147.4mm |
8,192 |
スリムペン、3ボタンペン、替え芯10本など |
![]() |
XP-Pen(エックスピーペン) Innovator 16 |
わずか9mmの薄さで持ち運びに活躍する1台 |
横443.27×縦256.45×高さ9mm |
1,400g |
横344.16×縦193.59mm |
8,192 |
バッテリーフリースタイラスペン、替え芯8本、ポータブルスタンド、ペンホルダー、2本指グローブ、USBケーブル(3in1) |
板タブのメリット・デメリット

ペンタブレットには液晶ディスプレイを搭載した「液タブ」と呼ばれるタイプと、ディスプレイのないシンプルな見た目で板状の「板タブ」と呼ばれるタイプの2種類があります。

refeiaさんの解説
皆さん、なんとなく液タブと板タブには上位・下位の関係のようなものを感じていませんか? たしかに価格はずいぶん違いますが、価格の高い液タブの方が良いことばかりではありません。それぞれのメリット・デメリットを解説します。
価格が手頃で長時間の作業にぴったり


refeiaさんの解説
板タブのメリットの筆頭は何といっても価格です。安いものなら数千円から、上位モデルでも数万円で揃えることができます。また、液タブと違ってディスプレイと向かい合った姿勢で作業をすることができます。ディスプレイと距離を取りやすいため、目・首・肩の負担が軽く、長時間の制作に適しています。
好みに合わせたカスタマイズがしやすい


refeiaさんの解説
液タブと違って表面に紙などを貼り付けてもディスプレイ表示上は影響が出ませんし、表面が摩耗したり傷ついたりしても致命的にはならないので、自分のこだわりに素直に従って工夫していくことができます。また、自分のこだわりで選んだディスプレイで制作できるのも無視できないメリットです。
ペンタブレットの表面は滑らかにペン先が移動できるようになっていますが、あえて紙を貼り付けることで摩擦が高くなり、まるで紙の上にペンで描くような感覚が得られます。
ペン先が滑りすぎて使い勝手が悪いと感じる方にとっても手軽に試すことができます。
使い慣れるまでには時間がかかる


refeiaさんの解説
デメリットは、ペン先とカーソルが離れているので、慣れないと思ったように線が引けないことですね。ただ、過度に心配する必要はありません。スポーツ選手が練習によってバットやラケットの先まで自分の手足のように扱えるのと同じで、十分に慣れれば指先とカーソルが思い通りに連動するようになります。
板タブの操作方法については、ワコムが配信している動画が参考になります。イラスト制作だけでなくマウスの代わりとしても使うことで次第に慣れていくことができるでしょう。
液タブのメリット・デメリット

プロの現場などによくあるペンタブレットがこちらの液タブです。板タブとは見た目も大きく違い、機能性を感じさせる見た目で高い人気があります。
価格は高めでも直感的に描けるのが魅力


refeiaさんの解説
一番のメリットは直感的に描けること。板タブでも指先とカーソルが練習することで連動するようになると述べましたが、同じように練習すれば、やはり液タブのほうが正確に描きやすいと思います。また、液タブを設置すると「絵師の机!」という気持ちになって、高揚感やモチベーションが得やすい点も無視できません。価格は安い製品であれば3万円程度からでも買えますが、妥協を少なく選ぶとすれば10万円前後、ワコム製上位機種であれば20~30万円にもなり、板タブと比較すると高額です。
液タブの注意ポイント


refeiaさんの解説
基本的には上向きで使うため、部屋の照明によっては反射で見づらく感じる場合があります。また、板タブのように表面に紙を貼るなどの工夫ができない点も使い方によってはデメリットに感じることでしょう。「液タブは板タブより上」「プロはみんな使っている」というイメージとは裏腹に、板タブは長時間の作業に向き、しかもこだわりに合わせたカスタマイズ性の面などプロとの相性が良い点が実はたくさんあります。実際に、板タブを愛用しているプロのイラストレーターも少なからずいます。逆に液タブは、慣れていなくてもそこそこ描ける点で初心者にはうれしい特徴を持っています。
自分に合った「板タブ」の選び方


refeiaさんの解説
ここからは板タブの選び方について解説していきます。基本的には「迷ったら大きめサイズを選ぶ」「スペックの数値に踊らされない」点に気をつけましょう。
筆圧レベルの数値を重視し過ぎない

筆圧レベルとは、ペン先に加えられた力をどれだけ細かく感知できるか数値で示したものです。
以前は1,000〜2,000段階で筆圧レベルを感知できるモデルから、8,000段階で感知できる本格派向けまで幅広い性能差がありましたが、最近では8,192段階の筆圧レベルに対応したペンタブレットでも数千円で購入できます。

refeiaさんの解説
筆圧レベルはペンタブの重要な性能指標のように扱われることが多いですが、今どきこの数値で性能比較はできません。定規に0.1ミリ単位の目盛があっても判読できないのと同じで、値が細かいからといって、その値が正確かどうかはわからないからです。重要なのは軽い筆圧の描き味が自然か、ボールペンでしっかり描くより重い筆圧までちゃんと拾ってくれるかといった点です。これらは仕様には書かれていないので、従来から安定して高品質なワコム製を選ぶか、海外メーカーならレビューなどを調べるのが良いでしょう。
サイズは少し大きめを選ぼう


refeiaさんの解説
板タブには「読み取り可能範囲」といって、ペン先の位置や移動を読み取ってくれる範囲があります。ワコムではそれらの大小にSmall, Medium, Largeと名付けてラインナップを構成していて、それぞれ概ね、ハガキぐらい、A5用紙ぐらい、A4用紙ぐらいと覚えておくと良いでしょう。他のメーカーの機種は仕様を見て「この機種はだいたいMediumだな」などと当たりをつけながら検討してみてください。
ワコム製の板タブの中から、Smaii/Medium/Largeサイズでそれぞれ代表的な機種を表にまとめました。初めてペンタブレットを購入する方は、ハガキやA4用紙を半分にしたA5用紙などの上でペンを使って実際に描いてみることで自分に合ったサイズ感を知ることができます。
サイズ |
該当商品 |
読み取り可能範囲 |
サイズが近いもの |
---|---|---|---|
Small |
![]() |
152×95mm |
ハガキ(148×100mm) |
Medium |
![]() |
224×148mm |
A5用紙(210×148mm) |
Large |
![]() |
311×216mm |
A4用紙(297×210mm) |

refeiaさんの解説
Smallは小さすぎでは? と思うかもしれませんが、手首と指だけを主に使って描くイラストならハガキサイズでも収まりますし、画面上ではキャンバスを自由に拡大縮小することもできます。とはいえ、例えば24インチのディスプレイに対してSmallでは差が大きすぎて描きづらいと感じるかもしれません。合う合わないは人それぞれなので一概には言えませんが、ノートPCならSmall~Medium、デスクトップPCならMedium~Largeぐらいが無難な選択だと思います。
ペンタブレットとディスプレイのサイズに大きな差がある場合、使い心地にどのような違いがあるのかワコムの公式動画をご紹介します。他社製品を選ぶ際も参考になることでしょう。

refeiaさんの解説
自分に必要なサイズがまだ分からない状態で一番小さいものを選ぶのは、大きい方が良いとわかったときに買い直すしかなくなってしまいます。逆に、より小さい範囲で使いたい場合には設定で狭めることができるので、「Smallぐらいでもいいかな」と思っても一段大きめを選ぶのがおすすめです。
ショートカットキーやホイールの優先度は高くない

ペンタブレットによって端の方にファンクションキーがいくつも並んでいるタイプや、回転するホイールを搭載しているモデルなどがあります。これらは頻繁に使用している操作を割り当てることで、ショートカットとして機能します。

refeiaさんの解説
ファンクションキーは必須ではありません。というのも、制作に使うペイントソフトのほとんどがキーボードショートカットを持っていて、キーボード自体がショートカットデバイスとして機能するからです。ホイールについても、PhotoshopやCLIP STUDIO PAINTにはキーボードとペンの操作を組み合わせてブラシサイズを連続して調節したり、ペンのドラッグでキャンバスを回転する機能などもあり、個人的にはホイールがないことで不便に感じた経験はありません。私自身もファンクションキーに操作を割り当てた時期もありましたが、今は手元の小型キーボードこそが一番使いやすいショートカットデバイスになっています(なんと文字入力もできる!)
専用タッチペンのサイドボタンをチェック

デジタルデバイス上にイラストや文字を描くためのスタイラスペンは、100円ショップで販売されているものから1万円以上するものまでさまざま。
その中で、ペンタブレットに付属している専用のスタイラスペンはイラスト制作に特化した機能を備えています。例えばすでに触れている筆圧感知機能の他に、サイドボタンやバリエーションのある替え芯なども特徴的です。
サイドボタンとは
スタイラスペンの側面に搭載されているボタンで、マウスの右ボタンや特定の操作を割り当ててショートカットキーとして使うことができます。

refeiaさんの解説
通常はサイドボタンが2個ありますが、まれに1個のタイプもあります。1個だとマウスの右クリックを割り当てるだけでカスタマイズの自由度が限られています。素早い操作やカスタマイズにこだわる方はサイドボタンの数に気をつけておくとよいでしょう。
替え芯とは
スタイラスペンにはペン先を交換することで描き心地に変化をつけられるタイプがあります。そうした替え芯にはフェルト製やゴムのような素材でできたエラストマー製などがあり、滑らかな描き心地の標準タイプとは違った手応えで描画することができます。
描き心地にこだわる方は対応する替え芯にどういったタイプがあるか確認しておくと良いでしょう。
制作スタイルに合った「液タブ」の選び方

筆圧レベルやショートカット機能などの板タブと共通する部分はすでに触れていますので、液タブに限った機能の中から選び方ポイントをご紹介します。
サイズ選びは作業環境とのバランスにも注目


refeiaさんの解説
液タブは12インチぐらいから、32インチのものまでさまざまです。どのサイズが合うかは人それぞれなので「このサイズが良い!」などと安易なことは言えません。注意すべき点としては、画面の枠が大きい機種が多いのでひと回り大きい設置感になりがちなこと、また、13インチ以下はPCディスプレイとしては手狭に感じる場合が多いことです。これらを意識して選ぶと良いでしょう。一般的なパソコンデスクで作業する方は、小型・中型機、もしくは板タブが無難だといえます。
4K解像度の液タブはパソコンの性能が重要

液タブのディスプレイにも高画質化の波が来ています。一般的な液タブの画面は1,920×1,080ピクセルで表示するフルHD画質ですが、4K画質は3,840×2,160ピクセルとフルHDに比べて縦横それぞれ2倍のピクセル数です。同等サイズのディスプレイであれば単純に4倍も精細な表示が可能になっています。

refeiaさんの解説
液タブは顔を近づけて操作するため、それほど大型ではない機種でもフルHD画質では画面のドットが見えてしまいますが、4K画質では大幅に見栄えが改善します。4K画質で作業するのは気分が良いものの、生産性が上がるわけではなく、しかもアプリの動作速度が低下するリスクもあります。PC・ソフト・制作スタイルの組み合わせにもよるので一概には言えませんが、4K液タブに買い換えた結果、処理速度の遅さに悲鳴を上げるユーザーも少なくありません。そのため、PC性能に自信がなければ無理して4Kを買わないのも良い判断です。
色域カバー率を重視し過ぎない

「色域」とは、人間が認識できる色の中で特定の色の範囲をいいます。その範囲の中からディスプレイやプリンターなどさまざまなデバイスが同じ色を忠実に再現できるように規格が定められています。
中でも最も一般的な規格が「sRGB」という国際標準規格です。色を表現できるデジタルデバイスの多くはsRGB規格に準拠して作られています。また、最近ではsRGBよりも広い色域に対応した「Adobe RGB」規格に準拠した製品も増えてきています。
色域が広いほど色彩豊かな表現ができることを意味していますが、メリットばかりではありません。

refeiaさんの解説
非常に発色の豊かなディスプレイを手に入れたとしましょう。みんなが持っているものの2倍濃い色を表示できます、すごいですね。それで作品を作ります。2倍濃いディスプレイで、ここはこの色、ここにはこの色、と決めていきます。完成してみんなに見せようとアップロードすると、どうでしょう。みんなは普通のディスプレイで、自分が意図したよりも色が半分に薄くなってしまった作品を見ることになります。これが、「発色の良い」ディスプレイを使うリスクです。作品を他人に見せることを想定して、標準的なものから離れすぎないのが無難です。
多くのデバイスが基準としているsRGBやAdobe RGBといった規格で定められた色域をどれほどカバーしているか比率で示したのが「色域カバー率」です。誤解しやすいものとして「面積比」があります。
- 面積比|規格で定められた色域と製品が対応する色域のサイズ比率
- カバー率|規格で定められた色域を100%として、カバーしている比率

refeiaさんの解説
降水確率が120%にならないのと同様に、100%を超える「カバー率」の値は誤りです。一方で「面積比」であれば100%より大きい値になることもあります。2つの値の意味ははっきりと違うにも関わらず、一般的に値の大きい「面積比」をカバー率として表示している場合や、どちらか明記せずに仕様に載せているものが海外製品を中心に少なくありません。「カバー率120%」という商品は、カバー率ではなく面積比だと理解する必要があるでしょう。中には正しい意味のカバー率を表示している製品であっても、カバー率の算出法には複数あり、暗黙に選ばれているCIE1931色域図から算出されていなければ平等に比較することができません。イラスト制作を本格的に行うためにペンタブレットを選ぶ場合、数ある商品の中からsRGBやAdobe RGBカバー率の適切な値によって比較したいところですが、残念ながら難しい状況にあります。以上のように色域カバー率は理解しにくい難しい話題ですが、以下の3つを覚えておきましょう。① 色域に関する値の出し方は1つではなく、勉強せずに簡単に比べることはできない② ディスプレイが違えば多かれ少なかれ色は変わって見える③ 最初からsRGBに沿って調整されていたり、それに近いモードが選べる機種がある3番目の点は、ワコムの機種のほとんどや最近発売された海外メーカー製の一部の機種がそうなっています。仕様からは読み取れないので、こだわるならばレビューを探すかメーカーに問い合わせると良いでしょう。
初心者なら付属ソフトをチェック

ペンタブレットによってはペイントソフトが無料で付属しているモデルもあり、初めて使い始める方にとってお得です。
中にはAdobeソフトやCLIP STUDIO PAINT PROなどのプロ向け有料ソフトがお試しで利用できるライセンスを付属しているモデルもあります。ペイントソフトを試したい入門者にとって大きなメリットです。


refeiaさんの解説
お目当てのソフトを別で買うより数千円お得になる場合もあるので、チェックしてみても良いでしょう。
商品ラインナップが豊富なメーカーから選ぶ

Wacom(ワコム)は、ペンタブレットを開発するメーカーとして最も知られた存在です。1984年に世界初のコードレスペンタブレットを発売して以来、改良を続け機能性に優れた製品を生み出しています。
ペンタブレットのバリエーション
ワコムは豊富なバリエーションで商品を提供しています。液タブ・板タブはもちろん、エントリーモデルからハイエンドモデルまでレベルや好みに合わせて選びやすいのもポイントです。
スタイラスペンのバリエーション
専用のスタイラスペンにもさまざまな種類があり、中には三菱鉛筆とコラボしたユニークな製品もあります。
より描き心地にこだわりたい方にとって「替え芯」にバリエーションがあるのも魅力です。「エラストマー芯」や、鉛筆のような描き心地を得られる「フェルト芯」など好みや用途に応じて選べます。
こだわりを追求していけるのはクリエイターにとって大きなメリットといえるでしょう。

refeiaさんが選ぶ、ペンタブレット2商品
この章では、選び方解説ゲストのrefeiaさんが普段使用しているペンタブレット(板タブ・液タブ)を2台ご紹介します(この章の商品は2021年9月に選定いただきました)。
Windows、MacOSに加え、Chrome OS(ver.87より)にも対応。ショートカット機能を割り当てられるファンクションキーやホイールがなく、シンプルなMediumサイズの板タブです。
スタイラスペンには、カスタマイズ可能な右クリックとスクロール用の2つのサイドボタンを搭載。CLIP STUDIO PAINT PROの3ヶ月ライセンスをバンドルし、本格的なイラスト制作をすぐに始められます。
- Wacom(ワコム)
-
Cintiq Pro 16(2021)※Amazon限定特典付き
- 税込み217,800円(Amazon)
-
マルチタッチ機能に対応、指を使って感覚的な操作が可能
こちらはCintiq Pro 16(2021)にAmazon限定特典(CLIP STUDIO用カスタムブラシデータ)をバンドル。15.6型ディスプレイを搭載した4K対応の高解像度モデルです。ショートカットをカスタマイズして登録できるエクスプレスキーを搭載、作業の効率アップをサポートしてくれます。
前世代モデルからタッチの精度も向上し、クリエイティブな作業により最適化したモデルです。

refeiaさんのおすすめポイント
Cintiq Pro 16(前世代モデル)は高額で、気難しい接続仕様などもあって安易にはおすすめしづらいですが、中型4Kの超細密な表示とタッチ対応が気に入り、メインのペンタブレットとして使っています。※上の「Cintiq Pro 16(2021)」は、前世代モデルから接続仕様が改善された新型モデルです。
〈編集部PICK UP〉ペンタブレット、人気メーカーの売れ筋商品

Moovoo編集部
数あるペンタブレットの中でもECサイトなどで売れ行き好調な、人気メーカーの製品を紹介します。ぜひ参考にしてください。
板タブ10選
- Wacom(ワコム)
-
Intuos Small TCTL-4100/K0 ※Amazon限定特典付き
- 税込み8,744円(Amazon)
-
基本的な機能を搭載したWacomエントリーモデル
-
Wacomの板タブの中でも、カジュアル向けのエントリーモデルという位置づけのWacom Intuosシリーズ。サイズ展開はSmallとMediumの2つがあり、こちらのモデルはSmallで読み取り範囲がハガキ1枚分ほどです。
ファンクションキーを4個搭載し、ペンの中に替え芯が3本内蔵されているなど、基本的な機能をそつなく備えた板タブと言えます。
液タブ9選
- Wacom(ワコム)
-
Wacom One 13 DTC133W1D ※Amazon限定特典付き
- 税込み42,900円(Amazon)
-
13.3型液晶にフルHD解像度、複数のソフトが付属
-
Wacomの液タブシリーズの中でも低価格で、液タブデビューにぴったりのWacom One 13。
付属のソフトとして、手軽に使えるノートアプリ「Bamboo Paperプロパック」、本格派ペイントソフト「CLIP STUDIO PAINT PRO(3ヶ月ライセンス)」、映像制作ができる「Adobe Fresco(6ヶ月ライセンス)」などが使えます。すぐに使い始められるのが魅力です。
外観 |
商品名 |
特長 |
サイズ |
重量 |
読み取り範囲 |
筆圧レベル |
主な付属品 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
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【選び方解説ゲストおすすめ】Wacom(ワコム) One by Wacom(CTL-672/K0-C) |
ファンクションキーなどが無いシンプルなMサイズモデル |
横277×縦189×高さ8.7mm |
約432g(USBケーブル除く) |
横216×縦135mm |
2,048 |
Intuos 筆圧ペン(LP-190K)、替え芯3本、USBケーブル(1m) |
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【選び方解説ゲストおすすめ】Wacom(ワコム) Cintiq Pro 16(2021)※Amazon限定特典付き |
マルチタッチ機能に対応、指を使って感覚的な操作が可能 |
横410×縦266×高さ22mm |
1,900g |
横344×縦194mm |
8,192 |
Wacom Pro Pen 2、替え芯13本(通常芯6本、標準芯3本、フェルト芯4本)ペンスタンド、ペンホルダー、USBケーブル2本(USB type-Cケーブル1.0m、USB type-C - USB-A変換ケーブル1.8m) |
![]() |
Wacom(ワコム)Intuos Small TCTL-4100/K0 ※Amazon限定特典付き |
基本的な機能を搭載したWacomエントリーモデル |
横200×縦160×高さ8.8mm |
250g |
横152×縦95mm |
4,096 |
Wacom Pen 4K、替え芯3本、USBケーブル(ケーブルバンド付、1.5m) |
![]() |
Wacom(ワコム) Intuos Pro Medium PTH-660/K0 |
高精細ペンと8個のファンクションキーを搭載 |
横338×縦219×高さ8mm |
700g |
横224×縦148mm |
8,192 |
Wacom Pro Pen 2(消しゴム付き筆圧ペン)、替え芯10本(標準芯6本、フェルト芯4本)、ペンスタンド、USBケーブル(USB Type-C - USB) |
![]() |
XP-Pen(エックスピーペン) Deco 01 V2 |
ファンクションキーを8個、8,192レベルの筆圧を感知 |
横350.5×縦215.9×高さ7.6mm |
589.67g |
横254×縦158.75mm |
8,192 |
充電不要ペンP05、替え芯8本、ペンスタンド、二本指グローブ、保護フィルム、USBケーブル |
![]() |
Wacom(ワコム) Intuos Pro Paper Edition Medium PTH-660/K1 |
手描きイラストを取り込める板タブ |
横338×縦219×高さ8mm |
700g |
横224×縦148mm |
8,192 |
Wacom Pro Pen 2(消しゴム付き筆圧ペン)、Wacom Finetip Pen、替え芯13本(標準芯6本、フェルト芯4本、Wacom Finetip Pen用3本)、ペンスタンド、USBケーブル(USB Type-C - USB) |
![]() |
Princeton PTB-W1 |
ワイヤレス接続でデスク周りをスッキリと使える |
幅278×奥行282×高さ20mm |
595g |
横203.2×縦152.4mm |
1,024 |
スタイラスペン、替え芯2本、芯抜きなど |
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Xencelabs(センスラボ) Xencelabs ペンタブレット Medium BPH1212W-A |
2種類のペンをはじめ、付属品が充実 |
約横320.5×縦232.9×高さ8mm |
約711g |
262.4×147.4mm |
8,192 |
3ボタンペン、スリムペン、替え芯10本、タブレットスリーブケース、ペンケース、グローブ |
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XP-Pen Deco mini7W |
コンパクトで持ち運びに困らない |
幅260.2×奥行162.2×高さ9.3mm |
330g |
横177.8×縦111.1mm |
8,192 |
P05Dスタイラスペン、替え芯10本、芯抜きなど |
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XP-Pen Deco Pro SW |
スリムなデザインで作業場所を選ばない |
横350.8×縦199.5×高さ16.5mm |
650g |
横228.6×縦127mm |
8,192 |
PA1 バッテリーフリースタイラスペン、替え芯10本、2本指グローブなど |
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XP-Pen Star G960S Plus |
消しゴム機能つきペンで直感的に作業可能 |
幅319.5×奥行209.5×高さ10mm |
記載未確認 |
横228.8×縦152.6mm |
8,192 |
PH2スタイラスペン、替え芯10本、芯抜きなど |
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Princeton WoodPad PTB-WPD10 |
天然素材の天板で紙に近い描き心地 |
幅294×奥行178×高さ7.5mm |
約280g |
横224×縦140mm |
4,096 |
専用ペン、替え芯3本、芯抜きなど |
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Wacom(ワコム) Wacom One 13 DTC133W1D ※Amazon限定特典付き |
13.3型液晶にフルHD解像度、複数のソフトが付属 |
横357×縦225×高さ14.6mm |
1,000g |
横294×縦166mm |
4,096 |
Wacom One Pen、替え芯3本、USBケーブル(1.8m) |
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Wacom Cintiq Pro 24 touch DTH-2420/K0 |
4K解像度対応で細部まで描画可能 |
幅677×奥行394×高さ47mm |
7200g |
横522×縦294mm |
8,192 |
Wacom Pro Pen 2、替え芯10本など |
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XP-Pen(エックスピーペン) Artist 22 2nd |
XP-PENの最新モデル |
横538×縦332×高さ25.8mm |
5,050g |
横476.064×縦267.786mm |
8,192 |
PA6スタイラスペン、替え芯8本、2本指グローブ、USBケーブル2本(USB-Type C - USB-Type C/USB-A - USB-Type C)、HDMIケーブル |
![]() |
Wacom(ワコム) Cintiq 22 DTK2260K1D ※Amazon限定特典付き |
大画面21.5型フルHD |
横570×縦359×高さ40mm(スタンド除く) |
5,600g(スタンド除く)/6,500g(スタンド含む) |
横476×縦269mm |
8,192 |
Wacom Pro Pen 2、替え芯3本、着脱式ペンホルダー、USBケーブル(2m)、HDMIケーブル(2m) |
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XP-Pen(エックスピーペン) Artist 13.3 Pro |
リングホイールを搭載したプロ向けモデル |
横390.4×縦249.98×高さ12.9mm |
1,140g |
横293.76×縦165.24mm |
8,192 |
バッテリーレス・スタイラスペン、替え芯8本、ペンホルダー、ポータブルスタンド、2本指グローブ、USBケーブル(3-in-1) |
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XP-Pen(エックスピーペン) Artist Pro 16TP |
マルチタッチ対応の4K液晶タブレット |
横406.4×縦263.1×高さ15.4mm |
1,520g |
横345.6×縦194.4mm |
8,192 |
バッテリーフリースタイラスペン、替え芯9本、ペンケース、2本指グローブ、USBケーブル2本(USB-C - USB-C) |
![]() |
Wacom(ワコム) Wacom One スターターパック ACK44628D |
Wacom One 13に鉛筆型ペンが付属するスターターパック |
横357×縦225×高さ14.6mm |
1,000g |
横294×縦166mm |
4,096 |
Wacom One Pen、Hi-uni DIGITAL for Wacom、替え芯3本、Wacom One用接続ケーブル |
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Xencelabs XMCTBMJPKR-SE |
2種類のペンで操作可能 |
幅320.5×奥行232.5×高さ8mm |
710.5g |
横262.4×縦147.4mm |
8,192 |
スリムペン、3ボタンペン、替え芯10本など |
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XP-Pen(エックスピーペン) Innovator 16 |
わずか9mmの薄さで持ち運びに活躍する1台 |
横443.27×縦256.45×高さ9mm |
1,400g |
横344.16×縦193.59mm |
8,192 |
バッテリーフリースタイラスペン、替え芯8本、ポータブルスタンド、ペンホルダー、2本指グローブ、USBケーブル(3in1) |
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まとめ


refeiaさんの解説
チェックすべきところや、余計なことに惑わされにくくなるためのことはお伝えできたと思います。今どきの製品の多さからは、迷わず買えるようになるとはなかなか言えませんが、お買い物の検討はそれはそれで楽しいものですし、色々工夫して自分に合った製品を探してみてください。