〈プロ解説〉ドライブレコーダーおすすめ人気11選 ユピテルなど定番メーカー品も紹介
ドライブレコーダーは、クルマに搭載することで、映像や音声を記録してくれる装置です。ドライブ中の景色を記録するだけでなく、もしもの交通事故の際には記録されたデータが客観証拠として重要な役割を果たします。
また、ドライブレコーダーを車載することが安全運転を心がけることにもつながるため、ドライバーにとって大きなメリットです。
この記事では、自動車評論家の会田肇さんに、ドライブレコーダーの選び方とおすすめ商品を紹介していただきました。ぜひ参考にしてください。
目次
▼ カー用品の役立つ情報を紹介
まずはプロおすすめ、ドライブレコーダー3選
おすすめポイント
CMOSセンサーに夜間も鮮明に記録できる200万画素「STARVIS」を搭載し、HDRによって昼夜を問わず鮮明記録を実現。安全運転をサポートするアクティブセーフティ機能を搭載しています。衝撃を検知すると専用フォルダに自動で保存できるほか、SDカードチェック機能と合わせ、高耐久MLC方式SDカードを付属して安心度の高い記録を実現しています。
おすすめポイント
フロントとリア用に高解像度カメラと明るいF1.4レンズを組み合わせ、センサーには夜間でもしっかり記録する「STARVIS」を採用し、細部まで鮮明で高画質な映像記録を実現しています。抜群に見やすく操作性にも優れた大画面3.0型液晶モニターを搭載。SDカードの状態からフォーマットの適切なタイミングを告知する機能の搭載も大きなポイントです。
おすすめポイント
360°カメラとリアカメラの前後2カメラを組み合わせたコンパクトな製品。360°カメラには最大800万画素のセンサーを採用し、ナンバーの読み取りも十分可能なスペックを発揮します。また、HDR機能を搭載したことで白飛びや黒つぶれなどの明暗差を補正。後方用カメラもフルHD対応の200万画素センサーを使用し、スキのない映像記録が可能です。
ドライブレコーダーとは|どんなときに役立つ?
ドライブレコーダー(ドラレコ)は、走行中の様子をカメラで撮影する車載装置のことです。音声を含む動画映像を撮影するだけでなく、必要に応じて静止画の記録も可能です。一見するとデジタルカメラと似ていますが記録の仕方は大きく異なります。
ポイント①:自動で録画開始、撮影をし続けられる
デジタルカメラの場合、撮影スイッチを押すことで録画が開始されますがドライブレコーダーではエンジンをスタートさせると自動的に録画が始まります。
また、デジタルカメラはメモリがいっぱいになれば警告が出てそれ以上記録できなくなりますが、ドライブレコーダーでは古いデータから順に上書きされるため、メモリ容量に関係なく常に新しい動画を記録し続けることが可能です。
ポイント②:衝突時の映像は消えないよう自動保存
ドライブレコーダーの保存データは常に更新されますが、衝突等の衝撃を受けたり、乗員が任意に記録用スイッチを押した場合、動画データは上書きされない別フォルダに保存されます。
機種によって保存できるファイル数は異なりますが、この機能があることで重要なシーンは上書きされずに済むわけです。※任意にフォーマットした場合は全消去されますからご注意下さい。
ポイント③:事故などの重要な裏付けに
最初にドライブレコーダーの映像データの扱いについて解説したのは、記録したデータが「事故などの裏付けとして使われる」ことが増えているからです。
事故やトラブルの映像が証拠として裁判で採り上げられる例も増えており、ドライブレコーダーの重要性は極めて高くなっていると言えます。
大きく3タイプ、特徴に違い
ドライブレコーダーは大きく3タイプに分けられます、前方だけを撮影するベーシックなシングルカメラのタイプ、今もっとも人気がある前後2カメラのタイプ、さらに360°カメラで撮影するタイプです。
それぞれに特徴があるので目的に応じて選びましょう。
シングルカメラタイプ|取り付けやすく手頃な価格
ドライブレコーダーを前方に向けて装着して使います。ドライブレコーダーの画角はデジタルカメラとは比較にならないほど広く、取り付け位置次第ですがフロントガラス越しの風景はほとんどを撮影できます。
走行中であれば左右から出てくる人やクルマの動きをおおよそ捉えられるでしょう。
このタイプは機種数こそ少ないものの価格が安く、また、これ1台を取り付けるだけで、あとは電源を取ればすぐに使えるのもメリットです。
前後2カメラタイプ|最も人気、追突やあおり運転も記録
もっとも人気がある前後2カメラタイプは、前方を撮影するシングルカメラのドライブレコーダーに加えて別体式の後方用カメラを組み合わせたもので、追突事故や後ろからあおるクルマやバイクを撮影するのにも役立ちます。
側面の衝突などはとらえられませんが、かなり広い範囲をカバーできるでしょう。
後方用カメラ取り付けでは配線を後方まで引き回す必要があるため、配線を露出させないためには内装を剥がすなど一定の手間がかかります。取り付け作業に自信がなければ、カー用品ショップやディーラー、自動車整備工場などに依頼しましょう。
360°カメラタイプ|全周囲を撮影したい人向け
360°カメラタイプはドライブレコーダー本体を中心として全周囲を撮影できるのが特徴です。
このタイプには1台のカメラを下向きに取り付け、魚眼レンズによって全周囲を撮影するものと、前後に2台のカメラを組み合わせて前方半分と後方半分を撮影し、再生時に両方を合成して360°映像を展開するものがあります。
前者は価格面で安いのが魅力ですが、解像度や画質は前後2カメラタイプなどより見劣りがします。一方で後者は価格は高めですが、解像度や画質はハイレベルなものが期待できます。
ただし、全周囲を撮影できるとは言っても後方で映っているのは車内が中心で、クルマの後方はほとんど判別できません。後方も重視したいのであれば、後方用カメラを別に組み合わせるタイプを選ぶといいでしょう。
ドライブレコーダー選び、5つのポイント
ドライブレコーダーの能力は機種によって異なります。ホームセンターなどで販売されている格安製品では十分な能力を備えていないこともあり、せっかく取り付けてもいざという時に役に立たなかったというケースもありえます。
ドライブレコーダーを購入するときは以下の5点を必須要件としてチェックしましょう。
① 描写能力|ナンバーまで読み取れるか
Photo by iStock
描写能力とはドライブレコーダーのカメラ能力の高さのことです。事故が発生したときの状況を捉えるのに解像度や画質は重要なポイントで、この能力が低いと映像の価値は下がってしまいます。
とくに相手のクルマのナンバーを捉えるには解像度の高さが重要です。一般に画素数で決まりますが、基準は1920×1080ピクセルのフルハイビジョン(フルHD)です。
つまり、およそ207万画素以上の画素数を持つことが高解像度な映像を捉えるのに欠かせないと思っていいでしょう。
② フレームレート|LED信号に対応できるモデルを
Photo by iStock
LED信号の表示状態をきちんと捉えられているドライブレコーダーを選びましょう。
実はLED信号は点灯時に電源周波数(東日本/50Hz、西日本/60Hz)に応じて細かく点滅していて、この点滅周期とドライブレコーダーのフレームレート(1秒間に撮影する枚数)が同期すると、点灯していないよう「無信号状態」で記録されてしまうのです。
特に電源周波数の関係から西日本ではこの現象が頻発します。最近のドライブレコーダーでは同期しないようにフレームレートをあえてずらして記録していますが、購入前にチェックしましょう。
③ 画角の広さ|水平画角120°以上が理想
画角(視野角)とはカメラが撮影できる範囲のことを指しています。事故などアクシデントは真正面で発生するとは限りません。それだけにドライブレコーダーが撮影できる画角は広ければ広いほど安心です。
ドライブレコーダーでは画角を「水平画角」「垂直画角」「対角画角」で表記しますが、わかりやすいのは水平画角で、できればこれが120°以上あるといいでしょう。
仮に100°以下のものだとかなり狭いと思います。画角を広く取るという意味では360°カメラを備えたドライブレコーダーを選ぶ手段もあります。
④ カメラ性能|HDRやWDRを搭載しているか
映像補正に関する機能も重要です。太陽を背にして撮影すると逆光となって肝心の被写体が黒つぶれしてしまいますし、急に明るいところに出たときに映像全体が白飛びしやすくなる現象が発生するからです。
そこでこの状況を抑えるために補正を加える機能が「HDR(ハイダイナミックレンジ)」「WDR(ワイドダイナミックレンジ)」です。
HDRは最も明るい部分と暗い部分を撮影した二つの画像をバランス良く合成する技術で、主としてソフトウェア上で処理します。WDRはカメラ部で光の補正を行うもので、ソフトウェアでの後処理が不要という特徴を持っています。
⑤ GPS機能|正確な日時記録にも役立つ
カーナビにも使われているGPS衛星からの電波を受信して、記録した位置と日時情報を映像に記録する機能です。
この機能は意外に見落とされやすいのですが、実は映像を証拠として使う際に重要な意味を持ちます。証拠として使う場合、記録した日時は正確さが求められるからです。
GPSに対応することで映像には正確な日時が記録され、データとしての価値が高まります。
人気機能|駐車監視や車内撮影もあると便利
他にもさまざまな機能を備えたドライブレコーダーが発売されています。
<駐車監視機能>
トラブルは運転中だけに起きるわけではありません。エンジンを切った後でも録画し続けるのがこの機能です。
駐車監視機能があればクルマを離れたときの車上荒らしや当て逃げといったトラブル発生時にも映像として記録してくれます。ほとんどがオプション機能となっていますが、エンジンOFF状態で使うだけにバッテリー上がり防止機能が搭載されているか確認しておきましょう。
<車内撮影用カメラ>
車内撮影用カメラを搭載するドライブレコーダーも人気です。これはデュアルカメラとして使うもので前後2カメラとして車内までも同時に撮影できます。
車内の様子を記録するだけでなく、事故や外部からのさまざまな行為を映像として記録できるのが特徴です。
また、車内は外に比べて明るさが不足がちとなるため、赤外線カメラを組み合わせることで昼夜を問わず鮮明に記録できるようになります。
<運転支援機能>
ドライブレコーダーのカメラやGセンサーなどを活用した運転支援機能を備えるモデルも増えています。
先行車の発進や車線逸脱、車速などを検知してドライバーへアラートを出してくれる機能がありますが、今のところ精度としてはあまり高いものではなく、あくまで目安として使うものとなります。
また、ドライブレコーダーはアラートを出しても車両側の制御を行わないので注意してください。
〈編集部PICK UP〉ドライブレコーダー、人気メーカーの売れ筋商品
Moovoo編集部
数あるドライブレコーダーの中でもECサイトなどで売れ行き好調な、人気メーカーの製品を紹介します。
外観 |
商品名 |
特長 |
サイズ |
重量 |
解像度 |
記録画角 |
フレームレート |
---|---|---|---|---|---|---|---|
【筆者おすすめ】 ユピテル SN-ST2200c |
高耐久MLC方式SDカード採用で安心 |
幅64×高さ49×奥行33mm |
約69g(microSDカード含む) |
フルHD(1920×1080) |
水平138°・垂直85°・対角160° |
27.5fps |
|
【筆者おすすめ】 パイオニア VREC-DH300D |
大画面3.0型液晶モニターを搭載 |
[フロント]幅90.5×高さ101.9×奥行36mm、[リア]幅58.9×高さ25.1×奥行31.5mm |
[フロント]125g、[リア]250g |
[フロント]WQHD/フルHD(2560×1440/1920×1080)[リア]フルHD(1920×1080) |
[フロント]水平112°・垂直60°・対角135°、[リア]水平105°・垂直55°・対角128° |
27fps |
|
【筆者おすすめ】 コムテック ZDR037 |
裏面照射型技術「STARVIS」搭載CMOSセンサーで明るく撮影 |
[フロント]幅74×高さ78×奥行35.1mm、[リア]幅38×高さ30×奥行27.3mm |
[フロント]125g、[リア]35g |
[フロント]8M(2880×2880)/5M(2240×2240)[リア]フルHD(1920×1080) |
[フロント]水平360°・垂直235°、[リア]水平138°・垂直70°・対角168° |
27.5fps |
|
ケンウッド DRV-MR480 |
業界トップクラスの明るさをうたうモデル |
[フロント]幅60.8×奥行33.1×高さ54.2mm、[リア]幅60×奥行28.6×高さ25mm |
[フロント]72g、[リア]26g |
1920×1080 |
[フロント]約水平122°・垂直63°・対角150°[リア]約水平126°・垂直63°・対角150° |
27.5fps |
|
ケンウッド DRV-EM4800 |
バンド式装着で幅広い車種に対応 |
幅57×奥行25×高さ31mm |
35g |
1920×1080 |
水平133°×垂直69°×対角162° |
28fps(タイムラプス時1fps) |
|
ケンウッド DRV-355 |
フルHD録画で鮮明に録画 |
幅60.8×奥行33.9×高さ58.1mm |
66g |
1920×1080 |
約水平122°・垂直63°・対角150° |
27.5fps/13.7fps/3.4fps |
|
サンコー ドライブレコーダー THCADVSNA |
タッチパネルで直感的操作 |
幅136×奥行40×高さ78mm |
105g |
[フロント]1920×1080[リア・車内]640×480 |
約前方150°・車内120°・後方90° |
[フロント・リア] 25fps[車内]30fps |
|
コムテック HDR002 |
駐車時の当て逃げも録画 |
幅78×奥行28.4×高さ53mm |
98g |
1920×1080・1280×720 |
水平110°・垂直56°・対角138° |
27.5fps |
|
コムテック HDR361GS |
360°カメラで全方位の映像を記録 |
幅66×奥行41.7×高さ109mm |
133g |
1856×1856 |
水平360° ・垂直240° |
27.5fps(駐車監視モード中は5fps固定) |
|
コムテック ZDR035 |
夜間映像も明るく撮影 |
[フロント]幅92.4×奥行31.8×高さ52.1mm、[リア]幅38×奥行27.3×高さ30mm |
[フロント]122g[リア]35g |
1920×1080・1280×720 |
水平138°・垂直70°・対角168° |
17.5fps・27.5fps |
|
パイオニア VREC-DH301D |
大型モニターで視認性を向上 |
[フロント]幅90.5×奥行36×高さ101.9mm、[リア]幅58.9×奥行31.5×高さ25.1mm |
[フロント]125g[リア]250g |
[フロント2560×1440・1920×1080[リア]1920×1080 |
[フロント]水平112°垂直60°対角135°[リア]水平105°垂直55°対角128° |
27.0 fps |
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まとめ
会田 肇さんのアドバイス
最後にドライブレコーダーと付き合う上で心掛けていただきたいことをお伝えします。ドライブレコーダーが急速に普及した理由の一つに「悪質なあおり運転への対策」があります。しかし、ドライブレコーダーを装着したり、それを知らせるステッカーを車体に貼っても、悪質なあおり運転を受けない保証はありません。トラブル回避や自己防衛のためには、後続車が近づいてきたら先に行かせる、車線変更時などにウインカーは早めに出すといった動きにも気を配りましょう。
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