
【プロ監修】おすすめのフライパン13選!使いやすくて長持ちする一本を
フライパンはプロが使うような鉄やアルミのものから安価な商品まで、たくさんの種類があります。値段も幅広いため、購入する際に迷った経験はありませんか?また、短期間で焦げ付きが気になるようになり、フライパンは消耗品と割り切って頻繁に買い替えている方もいるかもしれません。
この記事では、料理家研究家で栄養士の阪下 千恵さんに監修していただき、使いやすくて長持ちするフライパンの選び方とおすすめの商品を紹介します。
目次
フライパンの種類や特徴を知る

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フライパンは種類ごとの使い方や特徴を知れば、より上手に活用できます。求める機能や作りたい料理にあわせて見ていきましょう。
選び方①|素材は3種類、重さや耐久性に違い
まず、フライパンの使い勝手を左右する3種類の素材について解説します。
<高温調理に便利なステンレス>
錆びにくく、お手入れをすれば見た目がきれいなまま長く愛用できます。一番のメリットは頑丈で高温での調理にも耐えられるので、焼き物・炒め物だけでなく、煮物や揚げ物、蒸し物と幅広い料理に使えること。
デメリットは、こびりつきやすいのでチャーハンや焼きそばのような炭水化物の調理には向かない点です。熱伝導率が低いため熱ムラが発生しやすく、温度が低い部分が焦げ付いてしまうこともあり、調理中はこまめな火加減の調節が必要です。フライパンをよく熱してから調理すると、焦げ付きを防ぐことができます。
アルミを内部に挟み込んで、熱伝導性を高めて弱点を補った多層タイプのフライパンも販売されています。
<軽くて扱いやすいアルミ>
イタリア料理店でパスタを炒めるときによく使われるのがアルミのフライパンです。軽くて熱伝導性にすぐれているので、火加減次第で食材に加える熱を調節しやすのが利点。特にパスタのような水分が多い調理に向いています。
一方、高温に弱く強火で調理し続けると変形することも。油なじみがよいわけではなく、焼いたり炒めたりすると食材がくっつきやすいことがあります。
<耐久性があり焦げに強い鉄>
鉄のフライパンは愛用していると手になじみ、味が出てきます。さらに油がなじんで、焦げ付きも防げるようになります。また、傷に強いので、汚れや焦げ付きは天然素材のタワシで洗うことが可能です。
煮たり蒸したりのように水分を多く使う調理よりも、炒める・焼く・揚げるといった調理法に適しています。
一方で重量があるため、力の弱い人には使いにくいことも。初めて使うときには下準備が必要だったり、使ったあとはよく乾燥させて油を塗るといったケアが必要な点も注意しましょう。

阪下さんのアドバイス
いきなり大きな鉄のフライパンを買ってしまうと、慣れないうちはお手入れが大変なことも。人気のスキレットなど、小型のものから始めるのも選択肢です。スキレットはそのままオーブンに入れたり、使い方次第で料理の幅も広がります。
選び方②|焦げ付きを防ぐ加工の有無

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フライパンは使ううちに劣化して、焦げ付きが多くなります。困った焦げ付きを防ぐ加工にはいくつも種類があり、特徴を知っておくと商品選びがしやすいでしょう。
<汚れ落ちがよいフッ素樹脂加工>
フライパンの表面加工の中でもポピュラーなフッ素樹脂加工は、焦げ付きにくく汚れを落とやすいので、お手入れが簡単です。
ただフッ素樹脂は高温に弱く傷がつきやすいため、使っているうちにコーティングがはがれるのが注意点。表面温度260度以上で劣化し始め、350度を超えると熱分解が起こり、有害な微粒子状物質やガスが発生し始めるといわれているため、空焚きはNGです。
米国デュポン社が販売しているテフロン加工も、フッ素樹脂加工の商品にあたります。

阪下さんのアドバイス
フッ素樹脂加工のフライパンは、基本的に「中火」以上にしないで下さいと注意書きがあるフライパンが多数です。使う前に必ず取扱説明書を確認しましょう。買い替え時が難しいという声をよく聞きますが、基本的には表面に剥げている箇所がでてきたり、食品がくっつくようになってしまったら買い替え検討を。
<耐久性のあるダイヤモンドコートとマーブルコート>
フッ素樹脂に人工ダイヤモンドを混ぜたコーティングをダイヤモンドコート、大理石をフッ素樹脂とともに表面にコーティングしたものをマーブルコートと呼びます。
共に通常のフッ素樹脂加工より摩耗に強くてコーティングが剥がれにくく、長持ちする特長があります。フッ素樹脂加工と同様に、高温や空焚きには注意が必要です。
<熱に強いセラミック>
セラミックコーティングの特徴は、硬くて耐熱性が高いことです。摩耗に強く錆びにくいので、丈夫で長持ちします。熱伝導性にすぐれているので、強火で調理をすると食材が焦げやすいという面も。
フッ素樹脂加工よりは熱に強いといわれていますが、焦げ付かないよう火加減の調節が大切です。
選び方③|一人暮らしから家族まで使えるおすすめのサイズ

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フライパンにはいろいろなサイズがありますが、最初に買うなら26cmのフライパンがおすすめです。比較的大きめなのである程度の量を調理することができ、もちろん少量の調理も可能。一人暮らしからファミリーまで幅広い世帯で使えます。なおかつ大きすぎないので、収納場所にも困りにくいサイズ感です。
2つ目を購入するなら、20cm以下の小さいサイズがおすすめ。朝食やお弁当で少量の食材を調理するときに軽くて扱いやすく便利です。

阪下さんのアドバイス
フライパンを買う時は、サイズの他にも「深さ」と「縁のカーブ具合」をぜひチェックしてみてください。焼いた料理をフライ返しで裏返す時など、意外とこの深さと縁のカーブでやりやすさが変わってきます。鍋のように直角のカーブより、やや傾斜があったほうが使いやすいことが多いです。また、調理においては蓋が必須アイテム。蓋が付属でないフライパンは、蓋だけ別で購入なども検討を。どんなフライパンでも共通ですが、フライパンで「揚げ焼き」のように揚げ物をするときは、小さすぎたり軽すぎるフライパン、浅すぎるフライパンは危ないのでNGです。必ず購入したときに揚げ物に向いているかも含めて、取扱説明書を確認しておきましょう。
監修者 阪下 千恵さんが選ぶ、おすすめのフライパン3選

阪下さんのおすすめポイント
普段私が愛用しているのはこちら。丈夫でつるんと食材が張り付かないコーティングなどフライパンとしての機能はもちろん、全て重ねてコンパクトに収納できるのも魅力です。特に、24㎝の深型フライパンは、焼くだけではなく、煮物、ゆでもの、取っ手がとれるのでそのままオーブンに、と幅広く使えるので、調理道具をたくさん出さなくても使いまわしできるのが便利。リニューアルされて、取っ手の着脱が楽になり、更に蓋もしっかりとずれない仕様になっています。同じ取っ手を使いまわせる18㎝の万能サイズの鍋もセットに入っているので、とりあえず何を買うか迷ったら、このセットさえあれば日常の料理なら全て賄えます。

阪下さんのおすすめポイント
28cmという大きさに加えて超深型フライパンなので、4人以上の家族にぴったり。パスタをたくさんゆでたい時や、多めのチャーハン、炒め物など万能です。26cmサイズだと少し小さい、、という家は1個大き目のフライパンがあると便利です。サイズの割には重すぎないのと、洗いやすいのが特徴。

阪下さんのおすすめポイント
とにかく見た目がおしゃれでかわいいのがこちら。見せる収納としてフライパンをつるしておきたい、そのまま食卓に出したいという方にはぴったり。貴重な内側白色フライパンはお料理をおいしそうに見せる効果もあり。セラミック・ノンスティックコーティングというコーティングを使用しているため、フッ素樹脂加工のフライパンを使いたくない方にも。シリーズでいろいろなサイズ、鍋などもあるので、そろえていくとキッチンが明るくなりそうです。
編集部おすすめ人気のフライパン10選
素材にこだわったおすすめのフライパンから、便利で収納も楽々なフライパンまで、人気の商品を10商品厳選しました。お気に入りのフライパンを見つけて下さい。
片手で簡単に取っ手を取り外せるのが特長の「インジニオ・ネオ」は、ティファールの中でも人気の商品です。取っ手がとれるので収納しやすく、料理後にそのまま食卓に並べることができます。
チタンコーティングによってこびりつきにくく、耐久性が格段に高い商品。熱伝導にすぐれ、余熱完了を教えてくれるお知らせマークも付いた万能型のフライパンです。
北陸アルミが展開している「センレンキャストフライパン」は、鋳造製にもかかわらず非常に軽くて扱いやすいのが魅力です。
テフロンプラチナプラス加工によって耐久性は抜群。アルミフライパンならではの熱伝導のよ良さも特徴となっています。形状のバリエーションも豊富で、厚底・深型の設計はさまざまな料理に使えて、毎日の調理に最適です。
「ブルーダイヤモンドコートフライパン」は、ダイヤモンド粒子を配合した3層構造で人気のフライパン。
耐久性にすぐれ焦げ付きにくく、手入れが簡単です。傷にも強く、角が丸く滑らかであれば金属ヘラも使用できます。バリエーションが豊富な上に、価格がリーズナブルなのも魅力のひとつ。手軽に購入できて使い勝手がよいフライパンを探している人におすすめです。
ステンレスフライパンの中でも特におすすめなのが「ジオ・プロダクトのソテーパン」です。
肉料理から煮物、てんぷらまで幅広い料理に対応できる万能タイプ。そのままオーブンに入れてグラタンやケーキを作ることも可能で、無水調理にも活躍します。ステンレス製のため丈夫で、長く愛用できる逸品です。
業務用の鍋やフライパンで有名な中尾アルミ製作所から販売されているフライパン。半世紀以上に渡ってプロの料理人に愛されてきたフライパンが、家庭のキッチンで利用できます。
本体はアルミなので軽量で扱いやすく、揚げ物やソース作りにも使える程よい深さで使い勝手も抜群です。サイズ展開も豊富で、すべてのサイズでフタが別売りされているのもうれしいポイント。アルミのフライパンは独特な存在感があって、本格的に料理をしたい方や調理道具を長く使いたい方におすすめです。
世界で初めてこびりつかないフッ素樹脂加工のフライパンを発明したティファール。これまでの集大成として60周年目に開発されたのが、「ティファール IHルビー・エクセレンス」です。
強靭なチタン素材を配合したコーティングで、社内比で3倍長持ちと驚異の耐久性を実現した製品です。使いはじめのこびりつきにくさが長く続き、手入れが簡単な上にとにかく丈夫。金属性のヘラも使え、熱や摩擦にも強いという通常のチタン製フライパンのデメリットを覆す商品です。
大手電子機器メーカー京セラの「セラブリッド フライパン」。以前の社名「京都セラミック」からもわかる通り、セラミックに強みを持っている会社です。セラブリッドフライパンは基本性能が非常に高く、食材のくっつきにくさはもちろん、汚れもつきにくいので手入れが楽。遠赤外線効果で素早くムラなく火が通り、美味しく仕上がります。
注意点としては熱伝導が非常によいので、食材に火が通ったら弱火にして火力調節に気をつけないと焦げ付いてしまうことがあります。元々食材がくっつきにくい素材なので、油は補助的に薄く伸ばす程度で十分です。
シンプルなデザインが特長で、世界30ヶ国以上で展開するアメリカの大手調理器具メーカー「マイヤー」の製品。日本製のステンレスを使用した耐久性の高さと、重さを活かした安定感が魅力のフッ素樹脂加工のフライパンです。熱伝導率にすぐれ、弱火でもよく焼けます。
フッ素樹脂加工の耐久力もよく、使用方法に注意を払えば長く利用できるフライパンです。
錦見鋳造の技術を結集して作られた「魔法のフライパン」は、発売からしばらく入手困難になったほど人気のあるフライパンです。鉄鋳物といえば重さが気になりますが、魔法のフライパンは重量850gと女性でも扱いやすい軽さが特長。熱伝導にすぐれているだけでなく遠赤外線効果もあるので、素材の中までしっかりと火が通り美味しく調理できます。
鉄分が溶けだすので、不足しがちな鉄分を補給することも可能。鉄鋳物には炭素が含まれるので焦げ付きにくく、コーティングしたアルミ製フライパンなどに比べて長持ちします。
厚さ1.6mmの鉄製フライパンは高温・高火力に強く、炒め物や焼き物を気兼ねなく作るのに最適。
きちんと手入れすれば、ずっと使えるタフさを備えています。油をはじかず、なじみやすい鉄の特性が存分に生きた一本です。
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お気に入りのフライパンで料理上手に

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お気に入りの調理器具があると、料理に対するやる気が湧いてきますよね。自分の好みにあった、調理しやすいフライパンを見つける参考にしてください。