最新型ポメラ「DM30」と「DM200」を徹底比較! 知られざる便利な使い方も
みなさんは「ポメラ」をご存知ですか? キングジムの、文字を打つことに特化したデジタルメモです。
初代が発売されてから早10年。その節目に新モデルが出ました。従来との違いは? その狙いは? 開発担当者に取材しました。
知られざる便利な使い方、歴代シリーズの振り返りとあわせて魅力に迫ります。
▲ポメラ「DM30」をサクッと紹介する1分動画はこちら
「ポメラ」とは?
▲ポメラ「DM30」(2018年6月発売モデル)
「ポメラ」はキングジム社から発売されているデジタルメモ。いつでもどこでもすぐメモができる最強のテキスト入力専用マシーンです。
「ポメラ」という名前の由来は、「ポケット メモ ライター」の略語だそうです。
10年前の2008年に、シリーズ最初のポメラ「DM10」が発売され、スマートフォンや小型のノートPCが主流となった現在でも、「ネットに繋がらず文章を作成することだけに集中できる」という点が評価されています。
これまでの「ポメラ」史
ポメラ「DM10」が発売されたのは2008年。キーボードが折りたたみ型でキーピッチが17mmなのはDM30と同じ。
1ファイルあたりの文字数の上限は約8000字とやや少ないですが、外出先で手軽に文字を入力できるツールとして注目されました。
というのも当時は現在に比べてまだスマートフォンやタブレットが普及しておらず、またノートPCも現在より重量が重いものが多かったから。
テキスト入力に特化しており、インターネット接続がないのでネットサーフィンなどに「誘惑」されることがないこと、
また起動が大変早く、乾電池で長時間稼働することなどから人気を博し、「DM20」(2009年)、「DM25」(2013年)などが次々と発売されました。
そして2011年に、キーボードが折りたたみ型ではない、ストレートタイプの「DM100」が発売されます。
データ出力にBluetoothを用いることができ、本体画面サイズも大きく、40000字の入力が可能になりました。
その後は「DM100」がさらに進化した「DM200」が発売される一方、「DM25」は2015年10月に販売中止に。キーボード折りたたみ型の歴史は終わったかのように思われたのですが……。
2018年6月に、再びキーボード折りたたみ型の「DM30」が発売されることになりました。
全機種含めてまとめると、以下のような表になります。
【ポメラの歴史】
発売年 | 製品名 | 特徴 |
2008年 | DM10 | 元祖ポメラ! |
2009年 | DM20 | 大容量メモリを搭載 |
2010年 | DM5 | 285gと軽量化 |
2010年 | DM20Y | 限定モデル |
2010年 | DM11G | ガンダムとコラボ |
2011年 | DM100 | 初のストレート型 |
2013年 | DM25 | 家電量販店モデル |
2016年 | DM200 | ストレート型が進化 |
2018年 | DM30 | 折りたたみ型復活 |
現行モデル、DM200とDM30の違いは?
現在購入することができるモデルは、「DM30」と「DM200」の二つ。
違いはどこにあるのでしょうか。4つの観点からまとめました。
①折りたたみかた
最大の違いがキーボードのタイプ。
DM30は折りたたみ型。一方、DM200はストレート型です。
折りたたみ型の利点はコンパクトになること。上の動画のように、すばやく折りたたんで、カバンにしまうことができます。
ストレート型の利点は画面の大きさです(キーピッチはどちらも17mmで同じ)。
DM30は6型、DM200は7型ワイド。この違い、大きいです。DM200はひたすら文字入力したい人向きですね。
折りたたみ型を復活させた理由をキングジムの開発担当者の方に聞いてみたところ、「ユーザーアンケートで、キーボードに関してストレートタイプ、折りたたみタイプの支持率がどちらも半数程度になっていたため、再び折りたたみモデルを展開することとしました」とのことでした。
ちなみに、「市場を混乱させてしまっているのですが、『DM30』は折りたたみモデルの後継機種となっており、『DM200』の後継機種ではありません」とのことでした。
DMのあとの数字が2桁なのが、折りたたみ型、3桁なのがストレート型ということですね。
DM30はiPhone7と比較してもこの大きさ。小さいカバンにも入りそうですね!
②ディスプレイ
「DM200」がバックライトを搭載した液晶ディスプレイであるのに対し、「DM30」は電子ペーパーが導入されています。
開発担当者によると、「コントラスト比が高く、まるで紙に書いたかのようにくっきりと表示することができ、バックライトがなくても見やすいため長時間の使用でも目に優しいという利点があるため採用しました」とのこと。
実際に「DM30」を使ってみましたがパソコンやスマートフォンの光と比較すると、見やすく、長時間使っていても疲れませんでした。
一方で間違えて入力してしまった文字が少し残りやすいところもあります。
これに関しては「リフレッシュ」という文字の残像を消すことができる機能があるのですが、何度も行うと電池の消耗が激しくなってしまいますし、それでも少し文字は残ってしまいます。
③データ共有方法
「DM200」にはBluetooth接続機能があるのに対し、「DM30」にはありません。
「ポメラ」をBluetoothキーボードとして利用できれば、「ポメラ」のキーボードからスマートフォンやタブレットなどへ直接入力することも可能なので、この機能がないのは残念な気もします。
なぜこの機能をなくしたのか、開発担当者の方に聞いてみたところ、「Bluetoothを搭載しなかった理由としては、『ポメラ』のコンセプトであるテキスト入力専用端末であることのこだわりと、製品コストを考慮した結果となります」ということだそうです。
さらに「DM200」には無線LANが搭載されています。「ポメラ」とiPhone、Macで相互に文章を編集することができる「ポメラSync」や、Evernoteやメールのアカウントにテキストを送信することができる「アップロード」により、作成した文章の活用がよりスムーズになります。こちらも「DM30」にはない機能です。
では、「DM30」ではどうやってデータを共有できるのでしょうか。
まずmicroUSB、SDカードで直接転送!というやり方があります。
microUSBやSDカードを使って本体からパソコンへ直接テキストファイルを送ることができます。
もう一つはアプリを使う方法です。
作成したテキストファイルをQRコードに変換し、「ポメラ」専用アプリで読み取ることで、スマートフォンにテキストを移動できます。また、無線LAN機能付きSDカード「FlashAir」を使えば、FlashAirに保存したテキストデータを直接専用アプリで読み込むことができ、メールへの添付やクラウドへのアップロードが可能です。
ちなみにこの「pomera QR code reader」というアプリはスマートフォンの普及により、データ連携の親和性を高めるために作られたものだそうです。(このアプリは「DM200」にも搭載されています)
まとめると、デートの共有方法としては
①microUSB、SDカードでの転送、アプリでQRコードを読み取るやり方(「DM30」「DM200」ともに共通)
②無線LANによるテキスト送信(「DM200」のみ)
③Bluetooth接続機能を利用し、キーボードから直接入力(データ送信の必要なし)(「DM200」のみ)
ということになります。
④バッテリー、メモリ
「DM200」はリチウムイオンバッテリーを搭載。一回の充電で使用できる時間は約18時間。充電にかかる時間は約5時間。
一方の「DM30」は電源が乾電池2本。約20時間使用することができます。
また本体メモリは「DM200」が128MBなのに対し、「DM30」は8GBになっています。
まとめ
まとめると以下の表のようになります。
DM200 | DM30 | |
キーボード | ストレート | 折りたたみ |
キーピッチ | 17mm | 17mm |
本体メモリ | 50,000字 | 50,000字 |
画面(インチ) | 7インチ | 6インチ |
画面(解像度) | 1024×600 | 800×600 |
画面 | バックライト搭載 | 電子ペーパーディスプレイ |
ファイル形式 | txt | txt,csv |
電子辞書 | 国語、和英、英和、類語 | 国語、和英、英和 |
メモリカード | SD microSDHC | SD microSDHC |
電源 | リチウムイオンバッテリー | 単3アルカリ乾電池2本 |
駆動時間 | 18時間 | 20時間 |
サイズ(W,D,H) | 263×120×18 | 156×126×33 |
メモリ | 128MB | 8GB |
重量 | 580g | 450g |
QRコード | ◯ | ◯ |
Bluetooth | ◯ | – |
無線LAN | ◯ | − |
知られざる便利な使い方
文字を打つだけじゃ物足りない。せっかくならいろいろなことにポメラを活用したい!
そんな方に「DM30」の隠れた使い方をいくつかご紹介します。
①電子辞書として使う
文字を打つことだけに特化している?と思われるポメラですが、実は電子辞書機能もあります!
「明鏡国語辞典MX」「ジーニアス英和辞典MX」「ジーニアス和英辞典MX」が搭載されています。わからない単語をサクッと調べたい時に役に立ちそう。
②カレンダーとして使う
またカレンダーにメモが書き込める「日付メモ」機能は、その日のToDoや記念日、日記などスケジュール帳としても利用できます。保存形式は一般のファイルと同様にテキストファイルなので、パソコンでの編集も可能です。
③表の作成に使う
さらに「.csv」形式の表が作成でき、表形式の入力もできます。報告書や住所録などにも使えるかも。
また縦書きにしたり、白黒反転表示にすることもできます。
④裏技? 電源オフでも表示して使う
なんと、電子ペーパーディスプレイを採用している「DM30」は、電源オフの状態でも画面を表示したままにすることができます。
開発担当者によると、「カレンダーに予定を入力して表示しておくことなどもできるので文章作成以外の活用もできるのではないかと考えています」とのことでした。
購入はこちらから
シンプルながら10年間多くのユーザーに愛されているポメラ。
「スマホや小型PCの普及しているこの時代にわざわざ文字を打つためだけの機械なんていらないのでは?」と最初は思っていましたが、調べれば調べるほどポメラに愛着がわきました。
DM30とDM200、あなたが欲しいのはどちらですか?
【仕様】本体 品名・品番 デジタルメモ「ポメラ」DM30価格 〈本体価格〉¥16,000+消費税本体色 ダークシルバーキーボード JIS配列キーボード、キーピッチ17mm本体メモリ 8GB(システム領域含む)(1ファイルあたりの最大文字数は全角50,000文字)画面 6.0インチ(122.4×90.6mm)電子ペーパーディスプレイSVGA(800×600ドット)インターフェイス USB 2.0(microBタイプ)外形寸法 約156(W)×126(D)×33(H)mm(折りたたみ時)約286(W)×131(D)mm(使用時)質量 約450g(電池含まず)対応記録メディア SDカード(最大容量2GB)、SDHCカード(最大容量32GB)SDメモリーカード動作確認一覧表電源 電源 単3形アルカリ乾電池×2本(別売)または単3形エネループ×2本(別売)電池寿命 約20時間※電池寿命は使用環境や設定などで変化します。バックアップ電源 リチウムコイン電池(CR2032×1)動作環境 温度5~35℃ 湿度30~80%(非結露)保存環境 温度-10~55℃ 湿度5~80%(非結露)PCリンク対応OS Windows 7 以降(32/64bit 版)各日本語版Mac OS X 10.10 以降搭載辞書 「明鏡国語辞典MX」「ジーニアス英和辞典MX」「ジーニアス和英辞典MX」※「MXシリーズ」は、大修館書店が書籍出版の辞書を元に、モバイル端末用に再編集したものです。セット内容 本体、リチウムコイン電池(CR2032)、取扱説明書(保証書付)
【仕様】本体 品番 DM200 クロ価格 <本体価格>¥49,800+消費税本体色 ブラックキーボード JIS配列キーボード、キーピッチ17mm本体メモリ 128MB画面 7.0インチTFT液晶、WSVGA(1024×600ドット)、バックライト搭載インターフェイス USB 2.0(microBタイプ)※PCリンク、充電ポートとして使用外形寸法 約263(W)×120(D)×18(H)mm質量 約580g対応記録メディア SDカード(最大容量2GB)、SDHCカード(最大容量32GB)SDメモリーカード動作確認一覧表無線LAN IEEE802.11b/g/n(2.4GHz帯)Bluetooth Bluetooth 4.0 + EDR電源 バッテリー リチウムイオンバッテリー使用時間 約18時間※使用環境や設定などで変化します。充電時間 約5時間※使用環境や設定などで変化します。ACアダプタ 入力:AC100-240V(50Hz/60Hz)出力:DC5V 1.5A(USBポート出力)動作環境 温度: 5~35 ℃ 湿度:30~80%(非結露)保存環境 温度:-10~55 ℃ 湿度: 5~80%(非結露)Bluetoothキーボード対応OS iOS 9.0 以降/Android 4.4 以降PCリンク対応OS Windows 7 以降(32/64bit 版)各日本語版/Mac OS X 10.9 以降搭載辞書 「角川類語新辞典.S」「明鏡国語辞典MX」「ジーニアス英和辞典MX」「ジーニアス和英辞典MX」※「角川類語新辞典.S」は『角川類語新辞典(第39刷)』に基づいて最適化したものです。書籍版とは一部相違があることをあらかじめご了承ください。 ※「MXシリーズ」は、大修館書店が書籍出版の辞書を元に、モバイル端末用に再編集したものです。セット内容 本体、USBケーブル(A-microBタイプ/1m)、ACアダプタ(AS0515U)、キートップシール、取扱説明書、保証書
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